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トップページ過去問研究室(厚生年金保険法) 平成19年厚年-第5問(遺族厚生年金)
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■平成19年厚年-第5問(遺族厚生年金)

遺族厚生年金に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)老齢厚生年金の受給権者が行方不明になり、その後失踪の宣告を受けた場合で、遺族厚生年金を支給する際には、当該失踪者が行方不明になった当時の保険料納付要件は問わない。

(B)平成19年4月1日以後に支給事由が生じ、かつ受給権を取得した当時30歳未満である妻に対する遺族厚生年金は、当該遺族厚生年金と同一の支給事由に基づく遺族基礎年金の受給権を有する者について30歳に達する日前に当該遺族基礎年金の受給権が消滅した場合はその日から起算して5年を経過したときに、当該遺族厚生年金と同一の支給事由に基づく遺族基礎年金の受給権を取得しない者については当該遺族厚生年金の受給権を取得した日から起算して5年を経過したときに、それぞれ受給権が消滅する。

(C)被保険者期間が240月以上である老齢厚生年金の受給資格期間を満たした者が平成19年4月1日以後に死亡した場合において、死亡した者の妻が遺族厚生年金の受給権を取得した当時、遺族基礎年金の受給権を有する者がおらず、かつ、当該妻がその当時40歳未満であった場合、当該妻の遺族厚生年金に中高齢寡婦加算が行われることはない。

(D)厚生年金保険法で定める障害等級1級又は2級に該当する障害の状態にある子又は孫が、遺族厚生年金の受給権者である場合に、その事情が止んだとき(18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるときを除く。)又は20歳に達したとき、遺族厚生年金の受給権は消滅する。

(E)遺族厚生年金の受給権者が妻と子である場合に、子のみが遺族基礎年金の受給権を有するとき又は妻の所在が1年以上明らかでなくその旨を子が申請したときは、子に遺族厚生年金が支給されるが、妻自身の申出により妻に対する遺族厚生年金の支給が停止されている場合は、子に対する遺族厚生年金も支給が停止される。



■解説

(A)正解
法58条1項
遺族厚生年金は、被保険者が死亡した場合及び初診日において被保険者であった者が、その傷病により被保険者でなくなった後に死亡した場合(初診日から5年以内に限る)には保険料納付要件を問われることになっているが、障害等級1級又は2級に該当する障害厚生年金の受給権者、老齢厚生年金の受給権者又は老齢厚生年金の受給資格期間を満たしている者が死亡した場合には、保険料納付要件は問われない。
よって、問題文は正解となる。

(B)正解
法63条1項
平成19年4月1日の法改正により、夫の死亡当時30歳未満である妻が受給する遺族厚生年金(子を有しない場合に限る。)については、受給権取得したときから5年を経過したときに受給権が消滅することとなった。
よって、問題文は正解となる。

(C)正解
法62条1項
平成19年4月1日の法改正により、夫の死亡当時40歳以上65歳未満である妻又は40歳に達したときに、夫の死亡当時から生計を同じくしている遺族基礎年金の支給要件を満たす子のある妻に支給される遺族厚生年金には妻が65歳に達するまで加算が行われることとなった。(中高年齢の寡婦加算)
よって、問題文の寡婦の場合、加算は行われず、問題文は正解となる。
なお、中高齢の寡婦加算は、老齢厚生年金の受給に必要な加入期間の要件を満たしている者が死亡した場合については、死亡した者の被保険者期間が240月以上である場合に限り行われる。

(D)正解
法63条2項
障害等級1級又は2級に該当する障害の状態にない子や孫に支給される遺族厚生年金については、その事情がやんだとき(18歳の誕生日の属する年度の年度末までにあるときは除く)又は、20歳に達したとき(20歳に達すると障害基礎年金が支給されるため)に受給権が消滅することになっている。
よって、問題文は正解となる。

(E)誤り
法66条1項
子及び妻が遺族厚生年金の受給権者となった場合については、原則として妻に遺族厚生年金を支給し、子に対する遺族厚生年金を支給停止することとされているが、妻自身の申出により妻に対する遺族厚生年金が支給停止されている場合、子のみが遺族基礎年金の受給権を有することにより妻の遺族厚生年金が支給停止されている場合(先妻の子と後妻で生計を同一にしていない場合等)、妻の所在が1年以上明らかでなくその旨を子が申請したことにより妻の遺族厚生年金が支給停止されている場合には、子に遺族厚生年金が支給されることになっている。
よって、「妻自身の申出により妻に対する遺族厚生年金の支給が停止されている場合は、子に対する遺族厚生年金も支給が停止される。」とした問題文は誤りとなる。

  

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