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トップページ過去問研究室(厚生年金保険法) 平成20年厚年-第2問(厚生年金保険の被保険者等)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成20年厚年-第2問(厚生年金保険の被保険者等)

厚生年金保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)適用事業所に使用される70歳以上の者であって、老齢厚生年金、老齢基礎年金等の受給権を有しないもの(厚生年金保険法の規定により被保険者としないとされた者を除く。)が、高齢任意加入被保険者の資格を取得するためには、事業主の同意は必ずしも要しないが、厚生労働大臣に申し出る必要がある。(一部改正)

(B)適用事業所に使用される高齢任意加入被保険者の資格を有する者が、初めて納付すべき保険料を滞納し、督促状の指定の期限までに、その保険料を納付しないときは、その者の事業主が、当該保険料の半額を負担し、かつ、その被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を負うことにつき同意したときを除き、指定の期限の翌日に当該被保険者の資格を喪失する。

(C)適用事業所の事業主は、被保険者(船舶に使用される者及び昭和12年4月1日以前生まれの者を除く。)が70歳に達した日以後も引き続き使用を継続するときは、当該被保険者の資格喪失の届出及び70歳以上の使用される者の該当の届出を、当該事実があった日からそれぞれ5日以内に、当該届書等を日本年金機構に提出することによって行うものとされている。(一部改正)

(D)加給年金額の対象者がある障害厚生年金の受給権者は、当該障害厚生年金の額の全部につき支給が停止されているときを除き、毎年、厚生労働大臣が指定する日(以下「指定日」という。)までに、加給年金額の対象者が引き続き当該受給権者によって生計を維持している旨等を、日本年金機構に届け出なければならないが、当該障害厚生年金の裁定が行われた日以後1年以内に指定日が到来する年には、届け出なくてもよい。(一部改正)

(E)平成20年4月30日に適用事業所に使用され、平成20年5月31日に当該適用事業所に使用されなくなった厚生年金保険の被保険者(70歳未満であり、退職後は国民年金の第1号被保険者となるものとする。)の保険料は、4月分と5月分の2か月分が徴収される。



■解説

(A)正解
法附則4条の3第1項
70歳以上で適用事業所に使用されている者のうち、老齢厚生年金、老齢基礎年金等を受けることをできない者については、厚生労働大臣に申し出ることにより、高齢任意加入被保険者の資格を取得することができるが、保険料の負担については、原則として全額自己負担となっている。ただし、事業主が同意をした場合においては、折半負担することもできることとされている。しかしながら、事業主が同意しない場合であっても、標準報酬の届出などの一定の事務は事業主が行う必要がある。
よって、問題文は正解となる。

(B)誤り
法附則4条の3第3項
高齢任意加入被保険者の資格を有する者が、初めて納付すべき保険料を滞納し、督促状の指定の期限までに、その保険料を納付しないときは、その者の事業主が、当該保険料の半額を負担し、かつ、その被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を負うことにつき同意をしたときを除き、高齢任意加入被保険者とならなかったものとみなされることになっている。
よって、「指定の期限の翌日に当該被保険者の資格を喪失する。」とした問題文は誤りとなる。

(C)正解
適用事業所の事業主は、被保険者(船舶に使用される者及び昭和12年4月1日以前生まれの者を除く。)が70歳に達した日以後も引き続き使用を継続するときは、当該被保険者の資格喪失の届出及び70歳以上の使用される者の該当の届出を、当該事実があった日からそれぞれ5日以内に、当該届書等を日本年金機構に提出しなければならない。
よって、問題文は正解となる。
なお、平成19年4月1日から70歳以上の在職老齢年金が適用されることになったことに伴い、70歳以上の使用される者の該当の届出が必要となったが、この70歳以上の在職老齢年金の規定は、平成19年4月1日において70歳以上であった者(昭和12年4月1日以前生まれの者)には適用されないため、昭和12年4月1日以前生まれの者については届出は必要ないことになっている。

(D)正解
則51条の3
加給年金額の対象者がある障害厚生年金の受給権者は、当該障害厚生年金の額の全部につき支給が停止されているときを除き、毎年、指定日までに、所定の事項を記載し、かつ、自ら署名した届書を、日本年金機構に提出しなければならないことになっている。
ただし、次のいずれかに該当する日以後1年以内に指定日が到来する年には、加給年金額の対象者がある障害厚生年金の受給権者の届出は必要ないことになっている。
(1)障害厚生年金の裁定が行われた日
(2)厚生労働大臣の職権により障害厚生年金の額の改定が行われた日
(3)その全額につき支給が停止されていた障害厚生年金の支給の停止が解除された日
よって、問題文は正解となる。

(E)正解
法13条、法14条、法19条、法81条2項
保険料は、被保険者期間の計算の基礎となる各月につき、徴収するものとするものとされている。
そして、被保険者期間を計算する場合には、月によるものとし、被保険者の資格を取得した月からその資格を喪失した月の前月までをこれに算入することになっている。
問題文の事例の場合、資格取得日は適用事業所に使用された日であるため平成20年4月30日で、資格喪失日は適用事業所に使用されなくなった日の翌日であるため平成20年6月1日となる。
よって、被保険者期間は平成20年4月から平成20年5月までとなり、保険料は平成20年4月分と平成20年5月分の2か月分が徴収されることになるため、問題文は正解となる。

  

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