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トップページ過去問研究室(厚生年金保険法) 平成23年厚年-第10問(法令全般関係)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成23年厚年-第10問(法令全般関係)

厚生年金保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)賞与の支給が、給与規定、賃金協約等の諸規定によって年間を通じて4回以上支給されることが客観的に定められているときは、当該賞与は報酬に該当し、定時決定又は7月、8月若しくは9月の随時改定の際には、7月1日前の1年間に受けた賞与の額を12で除して得た額を、賞与に係る部分の報酬額として算定する。

(B)適用事業所の事業主は、70歳以上の者(厚生年金保険法第12条各号に定める適用除外者に該当する者を除く。)であって、過去に厚生年金保険の被保険者であった者を新たに雇い入れたときは、「70歳以上の使用される者の該当の届出」を行わなければならない。(一部改正)

(C)実施機関は、被保険者が現に使用される事業所において継続した3か月間(その事業所で継続して使用された期間に限るものとし、かつ報酬支払の基礎となった日数が17日未満である月があるときは、その月を除く。)に受けた報酬の総額をその期間の月数で除して得た額が、その者の標準報酬月額の基礎となった報酬月額に比べて、著しく高低を生じた場合において、その額を報酬月額として、その著しく高低を生じた月の翌月から標準報酬月額を改定しなければならない。(一部改正)

(D)保険給付の受給権者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき保険給付でまだその者に支給しなかったものがあるときは、その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹又はこれらの者以外の三親等内の親族であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものは、自己の名で、その未支給の保険給付の支給を請求することができる。(一部改正)

(E)育児休業若しくは育児休業の制度に準ずる措置による、子が3歳に達するまでの休業期間中は、当該被保険者が使用される事業所の事業主が「実施機関」に申出をすることにより、その育児休業等を開始した日の属する月から終了する日の翌日が属する月の前月までの期間に係る保険料の徴収は行われない。また、労働基準法に定める産前産後休業期間中は、当該被保険者が使用される事業所の事業主が、実施機関に申出をすることにより、その産前産後休業を開始した日の属する月からその産前産後休業が終了する日の翌日が属する月の前月までの期間に係る保険料の徴収は行われない。(一部改正)



■解説

(A)正解
平成15年2月25日保発0225004号・庁保発2号
賞与の支給実態が、「賞与の支給が、給与規定、賃金協約等の諸規定によって年間を通じ4回以上の支給につき客観的に定められているとき」、「賞与の支給が 7月1日前の1年間を通じ4回以上行われているとき」のいずれかに該当する場合は、当該賞与は報酬に該当することとされている。
そして、賞与に係る報酬額は、標準報酬月額の定時決定又は 7月、8月若しくは9月の随時改定の際、「7月1日前の1年間に受けた賞与の額を12で除して得た額」又は「7月1日以前1年内に諸規定により賞与の支給回数が変更され、新たに当該賞与が報酬に該当したときは、変更後の諸規定による賞与の支給回数等の支給条件であったとすれば同日前1年間に受けたであろう賞与の額を算定し、その額を12で除して得た額」により算定することとされている。
よって、問題文は正解となる。

(B)正解
法27条、則15条の2
70歳以上の者(厚生年金保険法第12条各号に定める適用除外者に該当する者を除く。)であって、過去に厚生年金保険の被保険者であった者を新たに雇い入れたときは、所定の事項を記載した「70歳以上の使用される者の該当の届出」を当該事実のあった日から5日以内に日本年金機構に提出する必要がある。
よって、問題文は正解となる。

(C)誤り
法23条1項
実施機関は、被保険者が現に使用される事業所において継続した3月間(各月とも、報酬支払の基礎となった日数が、17日以上でなければならない。)に受けた報酬の総額を3で除して得た額が、その者の標準報酬月額の基礎となった報酬月額に比べて、著しく高低を生じた場合において、必要があると認めるときは、その額を報酬月額として、その著しく高低を生じた月の翌月から、標準報酬月額を改定することができることになっている。
よって、「その事業所で継続して使用された期間に限るものとし、かつ報酬支払の基礎となった日数が17日未満である月があるときは、その月を除く。(各月とも支払基礎日数が17日以上ない場合、随時改定は行われない)」とした点、「報酬の総額をその期間の月数で除して得た額(報酬の総額を3で除して得た額)」とした点、「標準報酬月額を改定しなければならない(実施機関が、必要があると認めるときに改定することができる)」とした点から問題文は誤りとなる。

(D)正解
法37条1項
保険給付の受給権者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき保険給付でまだその者に支給しなかつたものがあるときは、その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹又はこれらの者以外の三親等内の親族であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものは、自己の名で、その未支給の保険給付の支給を請求することができることになっている。
よって、問題文は正解となる。

(E)正解
法81条の2、法81条の2の2
育児休業若しくは育児休業の制度に準ずる措置による、子が3歳に達するまでの休業期間中は、当該被保険者が使用される事業所の事業主が厚生労働大臣に申出をすることにより、その育児休業等を開始した日の属する月から終了する日の翌日が属する月の前月までの期間に係る保険料の徴収は行われないことになっている。
また、法改正により平成26年4月1日からは、産前産後休業をしている被保険者が使用される事業所の事業主が、厚生労働省令の定めるところにより厚生労働大臣に申出をすることにより、当該被保険者に係る保険料であってその産前産後休業を開始した日の属する月からその産前産後休業が終了する日の翌日が属する月の前月までの期間に係る保険料の徴収は行わないことになった。
よって、問題文は正解となる。
なお、第2号厚生年金被保険者、第3号厚生年金被保険者又は第4号厚生年金被保険者に係る保険料の徴収等については、この規定にかかわらず、共済各法の定めるところによるものとされている。(法84条の2)

  

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