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■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成24年厚年-第1問(法令全般関係)

厚生年金保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)労働協約により報酬と傷病手当金との差額を見舞金として支給する場合、当該見舞金は臨時に受け取るものであるので、厚生年金保険法第3条第1項第3号に規定する報酬には含まれない。

(B)被保険者が、年金手帳を滅失したため、再交付を厚生労働大臣に申請する場合には、申請者の生年月日及び住所、基礎年金番号、現に被保険者として使用される事業所の名称及び所在地、滅失又はき損の事由等の事項を記載した再交付の申請書を日本年金機構に提出しなければならない。

(C)遺族厚生年金の受給権者が、死亡した被保険者又は被保険者であった者の夫、父母又は祖父母であった場合、受給権者が60歳に達するまでの間、その支給は停止される。ただし、夫に対する遺族厚生年金については、当該被保険者又は被保険者であった者の死亡について、夫が国民年金法による遺族基礎年金の受給権を有するときは、この限りでない。(一部改正)

(D)厚生年金保険の被保険者期間(第1号厚生年金被保険者期間に限る。)を1年以上有する者(60歳以上の者に限る。)であって、当該被保険者期間と旧陸軍共済組合等の旧共済組合員であった期間とを合算した期間が20年以上ある場合には、その者に特例老齢年金を支給する。(一部改正)

(E)被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時胎児であった子が出生したときは、父母、孫、祖父母の遺族厚生年金の受給権は消滅するが、妻の受給権は消滅しない。



■解説

(A)誤り
法3条1項、昭和32年8月6日保文発6737号
労働協約で労務不能になったとき事業主が報酬と傷病手当金との差額を見舞金として支給する場合、これは名目的に見舞金でもいわゆる「お見舞い」ではなく、事業主と被保険者との雇用関係に基いて事業主が病気中報酬の一部を支給し生活を保障しようとするものであり、報酬の中に含まれる。
よって、「厚生年金保険法第3条第1項第3号に規定する報酬には含まれない。」とした問題文は誤りとなる。
なお、傷病に関し事業主が恩恵的に支給する見舞金は通常報酬とはされない。(昭和18年1月27日保発第303号)

(B)正解
法98条2項、則11条
年金手帳を滅失し、又はき損したときは、年金手帳の再交付を厚生労働大臣に申請することができるが、その場合は、「申請者の生年月日及び住所」、「基礎年金番号」、「被保険者として使用される事業所の名称及び所在地」、「滅失又はき損の事由」など所定の事項を記載した再交付の申請書を、日本年金機構に提出しなければならないこととされている。
よって、問題文は正解となる。

(C)正解
法65条の2
夫、父母又は祖父母については、被保険者が死亡した当時、55歳以上であることが支給の要件とされているが、この場合、その者が60歳に達するまでの間は遺族厚生年金を支給停止することとしている。しかしながら、平成26年4月1日の法改正により、夫に対する遺族厚生年金については、当該被保険者又は被保険者であった者の死亡について、夫が国民年金法による遺族基礎年金の受給権を有するときは60歳に達するまでの間の支給停止は行われないこととなった。
よって、問題文は正解となる。

(D)正解
法附則28条の3第1項
老齢基礎年金の受給資格期間を満たさないことにより老齢厚生年金を受給できない者であっても、次のいずれにも該当する場合においては、特例老齢年金が支給される。
(1)60歳以上であること
(2)1年以上の厚生年金被保険者期間(第1号厚生年金被保険者期間に限る。)を有すること
(3)被保険者期間と旧共済組合員期間とを合算した期間が20年以上であること
よって、問題文は正解となる。

(E)正解
法63条
遺族厚生年金の支給順位は、(1)配偶者及び子、(2)父母、(3)孫、(4)祖父母の順番となっている。
父母、孫、祖父母は子よりも後順位のため、これらの者が有する遺族厚生年金の受給権は、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時胎児であった子が出生したときは、消滅することになる。
一方、妻と子は同順位のため、妻の有する遺族厚生年金の受給権は、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時胎児であった子が出生したときでも消滅しない。
よって、問題文は正解となる。

  

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