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■平成24年厚年-第5問(離婚時の年金分割)

離婚時における厚生年金保険の保険料納付記録の分割について、離婚時みなし被保険者期間及び被扶養配偶者みなし被保険者期間に関する次のアからカの記述のうち、みなし被保険者期間が含まれるものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。

(ア)遺族厚生年金の支給要件(厚生年金保険法第58条第1項第4号該当)となる被保険者期間

(イ)60歳台前半の老齢厚生年金の支給要件(被保険者期間1年以上)となる被保険者期間

(ウ)振替加算の支給停止要件(配偶者自身の厚生年金保険の被保険者期間240月以上)となる被保険者期間

(エ)加給年金額の加算要件(被保険者期間240月以上)となる被保険者期間

(オ)特例老齢年金及び特例遺族年金の支給要件となる被保険者期間

(カ)60歳台前半の老齢厚生年金における定額部分の額を計算するときの被保険者期間

(A)(アとウ)

(B)(アとオ)

(C)(イとカ)

(D)(ウとエ)

(E)(エとオ)



■解説

(ア)含まれる
法78条の11
長期要件による遺族厚生年金は、老齢厚生年金を受けられる者が死亡したときに支給されるが、老齢厚生年金を受けられる者は、通常、被保険者又は被保険者であった者であることから、被保険者となったことがない者が死亡した場合を想定していない。離婚時の年金分割により、被保険者でない「みなし被保険者期間」のみを有する者も、老齢厚生年金の受給権者となることができるため、こうした者が死亡した場合も遺族厚生年金を支給することとされている。

(イ)含まれない
法附則17条の10
離婚時の年金分割により標準報酬が改定等された者について、離婚時のみなし被保険者期間については年金受給資格期間には算入せず、また、分割は基礎年金の額や定額部分の額に影響を及ぼさないという考え方の下、「みなし被保険者期間」については、特別支給の老齢厚生年金の支給要件(1年以上の被保険者期間)には含めないこととされている。

(ウ)含まれる
法78条の11
振替加算が加算される老齢基礎年金の受給権者が、老齢厚生年金(その額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が240月以上であるものに限る。)の受給権を有する場合は振替加算が行われないことになっているが、この老齢厚生年金の被保険者期間の要件を判断する場合には、「みなし被保険者期間」を含めることになっている。
よって、離婚による年金分割を行った結果、みなし被保険者期間を含めた被保険者期間の月数240月以上の老齢厚生年金を受給できる場合は、振替加算は行われないことになる。

(エ)含まれない
法78条の11
受給資格期間が不足している国民年金の未納・未加入者が、離婚時の年金分割を受けることで事後的に受給資格を満たすことは適当でないことから、離婚時のみなし被保険者期間については、原則年金受給資格期間には算入しないこととしている。これと同様の考え方により、加給年金の支給要件期間(240月)についても、離婚時のみなし被保険者期間は算入しないこととされている。

(オ)含まれない
法附則17条の10
老齢基礎年金の受給資格期間を満たさないことにより老齢厚生年金を受給できない者が、被保険者期間(1年以上)と旧共済組合員期間を20年以上有する場合には、特例老齢年金が支給されることになっているが、離婚時のみなし被保険者期間については、こうした受給要件には含めないこととされている。
また、特例老齢年金の受給資格要件を満たした者が死亡した場合には、特例遺族年金が支給されるが、離婚時のみなし被保険者期間については、その特例老齢年金の受給資格要件には含めないこととされている。

(カ)含まれない
法附則17条の10
離婚時の年金分割により標準報酬が改定等された者について、離婚時のみなし被保険者期間については定額部分の額の算定の基礎に含めないこととされている。

※みなし被保険者期間が含まれる組合せは、(ア)と(ウ)であるため、(A)が正解となる。

  

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