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トップページ過去問研究室(厚生年金保険法) 平成24年厚年-第9問(法令全般関係)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成24年厚年-第9問(法令全般関係)

厚生年金保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)60歳台前半の老齢厚生年金の基本月額が150,000円であり、その者の総報酬月額相当額が360,000円の場合の在職老齢年金の支給停止額は115,000円となる。なお、この基本月額には加給年金額が加算されている老齢厚生年金の場合、加給年金額を含めたものである。

(B)60歳台前半の女性(第1号厚生年金被保険者であり、又は第1号厚生年金被保険者期間を有する者に限る。)の老齢厚生年金における定額部分の支給開始年齢は、昭和16年4月2日以降に生まれた者から段階的に引き上げられ、昭和24年4月2日以降に生まれた者については、60歳から65歳に達するまでの間、定額部分が支給されなくなる。(一部改正)

(C)60歳台前半の老齢厚生年金は、雇用保険法に基づく基本手当の受給資格を有する受給権者が同法の規定による求職の申し込みをしたときは、当該求職の申し込みがあった月の翌月から月を単位に支給停止される。なお、1日でも基本手当を受けた日がある月については、その月の老齢厚生年金が支給停止されてしまうため、事後精算の仕組みによって、例えば90日の基本手当を受けた者が、4か月間の年金が支給停止されていた場合、直近の1か月について年金の支給停止が解除される。

(D)被保険者が賞与を受けた場合、その賞与額に基づき、これに千円未満の端数が生じたときは、これを切り捨てて、その月における標準賞与額を決定する。ただし、その月に当該被保険者が受けた賞与により、その年度(毎年4月1日から3月31日までをいう。以下同じ。)における標準賞与額の累計が573万円を超えることとなる場合には、当該累計額が573万円となるようにその月の標準賞与額を決定し、その年度においてその月の翌月以降に受ける賞与の標準賞与額は0とする。(一部改正)

(E)育児休業等を終了した際に改定された標準報酬月額は、育児休業等終了日の翌日から起算して2か月を経過した日の属する月からその年の8月(当該月が7月から12月までのいずれかの月である場合は、翌年の8月)までの各月の標準報酬月額とする。



■解説

(A)誤り
法附則11条、法附則11条の3、法附則21条1項(平成6年11月9日法律第95号)
60歳台前半の在職老齢年金については、基本月額と総報酬月額相当額が28万円を超える場合において、基本月額が28万円以下で、総報酬月額相当額が47万円以下のときは、次の計算式によって1月あたりの支給停止額を計算する。
(計算式)
(総報酬月額相当額+基本月額−28万円)×0.5
よって、問題文の場合の支給停止額は115,000円で正しい。
しかしながら、基本月額は、老齢厚生年金の額から加給年金額を除いた額を12で除して計算することとされており、「加給年金額を含めたものである。」とした問題文は誤りとなる。
なお、解説にあたり2以上の種別の被保険者であった期間を有する者の特例は考慮していない。

(B)誤り
法附則20条1項(平成6年11月9日法律第95号)
60歳台前半の老齢厚生年金における定額部分の支給開始年齢引上げのスケジュールが女子(第1号厚生年金被保険者であり、又は第1号厚生年金被保険者期間を有する者に限る。)については男子より5年遅いものとされているため、昭和21年4月2日に生まれた者から段階的に引き上げられ昭和29年4月2日以降に生まれた者については、定額部分が支給されない。
よって、「昭和16年4月2日以降に生まれた者から段階的に引き上げられ、昭和24年4月2日以降に生まれた者」とした問題文は誤りとなる。
なお、女子のうち、第2号厚生年金被保険者であり、若しくは第2号厚生年金被保険者期間を有する者、第3号厚生年金被保険者であり、若しくは第3号厚生年金被保険者期間を有する者又は第4号厚生年金被保険者であり、若しくは第4号厚生年金被保険者期間を有する者については男子と同様の支給開始年齢とされている。

(C)正解
法附則7条の4、法附則11条の5
60歳台前半の老齢厚生年金の受給権者が雇用保険法の規定による求職の申込みをしたときは、当該求職の申込みがあった月の翌月から、当該基本手当に係る受給期間が経過するか、又は所定給付日数が満了するに至った月まで老齢厚生年金が支給停止される。
基本手当は失業認定を受けた日について日単位で支給されるため、受給期間が経過するか、又は所定給付日数が満了するまでずっと受給しているとは限らない。また、在職中に支給される在職老齢年金と失業中に支給される基本手当は通常は同時に受けることはないが、基本手当が日単位で支給される関係で、例えば月の途中で退職した場合には在職老齢年金による支給停止と基本手当の支給停止とが重複する可能性がある。このため老齢厚生年金の受給権者が基本手当の支給を受けた日とみなされる日等が1日もない月、及び在職老齢年金の仕組みにより当該老齢厚生年金の全部又は一部の支給が停止されている月においては、基本手当との調整の規定を適用せず、老齢厚生年金の支給停止は行わないこととされている。
しかしながら、ある月において、1日でも基本手当の支給を受けた日がある場合には、老齢厚生年金の全額が支給停止となるが、同じ日数分の基本手当を受給した者であっても年金の支給停止月数が異なるのは必ずしも合理的でないことから、基本手当の受給終了後において一定の調整を行うこととされており、具体的には、休職の申込みにより老齢厚生年金の支給が停止された月数から、基本手当の支給を受けた日とみなされる日の数を30で除して得た数(1未満の端数は1に切上げ)を控除して得た数が1以上であるときは、年金の支給が停止された月のうち当該控除して得た数に相当する月数分の直近の各月については、支給停止が行われなかったものとみなし、その月の分の老齢厚生年金が支給されることになる。
これを問題文の例に当てはめると、4か月−90日÷30で1となり、支給解除月数は1か月となるため、問題文は正解となる。

(D)誤り
法24条の3第1項
平成15年4月以降、総報酬制の導入に伴い、被保険者が受けた賞与(賞与額に1,000円未満の端数が生じたときはこれを切り捨てる)についても保険料の賦課対象とすることとされたが、賦課対象額には150万円の上限が設けられている。
よって、問題文の記述は誤りとなる。
なお、健康保険法における標準賞与額は、被保険者がその月に受けた賞与額に基づき、これに1,000円未満の端数を生じたときは、これを切り捨てて、その月における標準賞与額を決定する。ただし、その月に当該被保険者が受けた賞与によりその年度(毎年4月1日から翌年3月31日まで)における標準賞与額の累計額が573万円を超えることとなる場合には、当該累計額が573万円となるようその月の標準賞与額を決定し、その年度においてその月の翌月以降に受ける賞与の標準賞与額は零とすることとされている。(健康保険法45条1項)

(E)誤り
法23条の2第2項
育児休業等を終了した際に改定された標準報酬月額は、育児休業等終了日の翌日から起算して2月を経過した日の属する月の翌月からその年の8月(当該翌月が7月から12月までのいずれかの月である場合は、翌年の8月)までの各月の標準報酬月額とされる。
よって、「2か月を経過した日の属する月から」とした問題文は誤りとなる。

  

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