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トップページ過去問研究室(厚生年金保険法) 平成25年厚年-第2問(厚生年金保険の給付等)
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■平成25年厚年-第2問(厚生年金保険の給付等)

厚生年金保険に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)60歳台前半の老齢厚生年金の受給権者であって、被保険者期間のうち厚生年金基金の加入員であった期間を有する被保険者については、当該加入員であった期間を加入員でなかったものとして計算した老齢厚生年金の額に基づいて在職老齢年金の支給停止額を計算する。(参考問題)

(B)脱退手当金の受給資格の要件となる被保険者期間は5年以上とされているが、当該被保険者期間は、60歳到達時点の前後を通じた被保険者期間全体により判定する。

(C)障害厚生年金の額の改定は、「実施機関」の職権によるほか、受給権者による額の改定の請求によって行うことができる。受給権者による額の改定の請求は、当該受給権者が65歳未満の場合はいつでもできるが、65歳以上の場合は、障害厚生年金の受給権者の障害の程度が増進したことが明らかである場合として厚生労働省令で定める場合を除き、障害厚生年金の受給権を取得した日又は実施機関の診査を受けた日から起算して1年を経過した日後でなければ行うことができない。(一部改正)

(D)厚生年金保険料に係る延滞金の割合については、厚生年金保険法附則第17条の14の規定により、各年の特例基準割合(租税特別措置法第93条第2項に規定する特例基準割合をいう。)が年7.3%の割合に満たない場合には、その年中においては、年14.6%の割合にあっては当該特例基準割合に年7.3%の割合を加算した割合とされ、年7.3%の割合にあっては当該特例基準割合に年1%の割合を加算した割合(当該加算した割合が年7.3%の割合を超える場合には年7.3%の割合)とされる。(一部改正)

(E)厚生年金保険法第47条に定める障害認定日は、初診日から起算して1年6か月を経過した日又は当該障害の原因となった傷病が治った日(その症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った日を含む。)のいずれか早い方である。



■解説

(A)正解だった
公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律(平成25年法律第63号)が平成26年4月1日に施行され、施行日以後は厚生年金基金の新設は認めないこととし、施行日から5年間の時限措置として特例解散制度を見直し解散を進めるとともに、厚生年金基金から他の企業年金等への積立金の移行についての特例等が設けられたため参考問題とする。
なお、本問の規定は、存続厚生年金基金については適用される。
受給権者が厚生年金基金の加入員であった期間を有する者である場合においては、政府が支給する老齢厚生年金の額については、厚生年金基金に加入していた期間を加入していなかったものとして計算した老齢厚生年金の額に基づき、当該老齢厚生年金の支給停止額を計算することとしている。

(B)正解
法附則75条(昭和60年5月1日法律第34号)、平成23年3月29日年管管発0329第1号
厚生年金保険の脱退手当金の受給資格については、従来60歳到達時点において5年以上の被保険者期間を有するか否かで判定してきているところであるが、60歳到達以後の期間も含めて5年以上の被保険者期間を有するか否かにより受給資格を判定するとともに、60歳到達時点の前後を通じた被保険者期間全体を脱退手当金の算定基礎とすることとされている。
よって、問題文は正解となる。

(C)誤り
法52条
実施機関は、障害厚生年金の受給権者について、その障害の程度を診査しその程度が従前の障害等級以外の障害等級に該当すると認めるときは、その程度に応じて障害厚生年金の額を改定することができる。
一方、障害厚生年金の受給権者は、実施機関に対し、障害の程度が増進したことによる障害厚生年金の額の改定を請求することができるが、この請求は、障害厚生年金の受給権者の障害の程度が増進したことが明らかである場合として厚生労働省令で定める場合を除き、障害厚生年金の受給権を取得した日又は実施機関の診査を受けた日から起算して1年を経過した日後でなければ行うことができないことになっている。
よって、「当該受給権者が65歳未満の場合はいつでもできる」とした問題文は誤りとなる。

(D)正解
法附則17条の14
厚生年金保険料に係る延滞金の割合については、各年の特例基準割合が年7.3%の割合に満たない場合には、その年中においては、年14.6%の割合にあっては当該特例基準割合に年7.3%の割合を加算した割合とされ、年7.3%の割合にあっては当該特例基準割合に年1%の割合を加算した割合(当該加算した割合が年7.3%の割合を超える場合には年7.3%の割合)とされている。
よって、問題文は正解となる。
なお、第2号厚生年金被保険者、第3号厚生年金被保険者及び第4号厚生年金被保険者に係る保険料の繰上徴収、保険料その他厚生年金保険法の規定による徴収金の督促及び滞納処分並びに延滞金の徴収については、共済各法の定めるところによるものとされている。(法87条の2)

(E)正解
法47条1項
障害厚生年金は、初診日において被保険者であった者が、当該初診日から起算して1年6か月を経過した日(その期間内にその傷病が治った日(その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日を含む。)があるときは、その日)において、その傷病により障害等級に該当する程度の障害の状態にある場合に、その障害の程度に応じて支給される。
よって、問題文は正解となる。

  

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