社会保険労務士試験に楽に合格する方法論を研究するサイト
社会保険労務士試験情報局
トップページ過去問研究室(厚生年金保険法) 平成27年厚年-第4問(障害厚生年金)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成27年厚年-第4問(障害厚生年金)

障害厚生年金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)障害等級2級の障害厚生年金と同一の支給事由に基づく障害基礎年金の受給権者が、国民年金の第1号被保険者になり、その期間中に初診日がある傷病によって国民年金法第34条第1項の規定による障害基礎年金とその他障害との併合が行われ、当該障害基礎年金が障害等級1級の額に改定された場合には、障害厚生年金についても障害等級1級の額に改定される。

(B)63歳の障害等級3級の障害厚生年金の受給権者(受給権を取得した当時から引き続き障害等級1級又は2級に該当したことはなかったものとする。)が、老齢基礎年金を繰上げ受給した場合において、その後、当該障害厚生年金に係る障害の程度が増進したときは、65歳に達するまでの間であれば厚生労働大臣に対し、障害の程度が増進したことによる障害厚生年金の額の改定を請求することができる。

(C)障害等級3級の障害厚生年金の受給権者(受給権を取得した当時から引き続き障害等級1級又は2級に該当したことはなかったものとする。)について、更に障害等級2級に該当する障害厚生年金を支給すべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した障害の程度による障害厚生年金が支給され、従前の障害厚生年金の受給権は消滅する。

(D)40歳の障害厚生年金の受給権者が実施機関に対し障害の程度が増進したことによる年金額の改定請求を行ったが、実施機関による診査の結果、額の改定は行われなかった。このとき、その後、障害の程度が増進しても当該受給権者が再度、額の改定請求を行うことはできないが、障害厚生年金の受給権者の障害の程度が増進したことが明らかである場合として厚生労働省令で定める場合については、実施機関による診査を受けた日から起算して1年を経過した日以後であれば、再度、額の改定請求を行うことができる。(一部改正)

(E)障害等級3級の障害厚生年金の支給を受けていた者が、63歳の時に障害の程度が軽減したためにその支給が停止された場合、当該障害厚生年金の受給権はその者が65歳に達した日に消滅する。



■解説

(A)正解
法52条の2第2項
障害厚生年金の受給権者が、国民年金法による障害基礎年金の受給権を有する場合において、国民年金法第34条第4項及び第36条条第2項ただし書の規定により併合された障害の程度が当該障害基礎年金の支給事由となった障害の程度より増進したときは、これらの規定により併合された障害の程度に応じて、当該障害厚生年金の額を改定することとされている。この結果、障害基礎年金の障害等級と障害厚生年金の障害等級は常時、同一のものとなる。
よって、問題文は正解となる。

(B)誤り
法52条2項、法附則16条の3
事後重症による障害基礎年金の受給権の発生は65歳到達時までに限られているため、65歳以後に障害の状態が3級から2級に増進した場合には、障害基礎年金は支給されない。このような場合に2級の障害厚生年金のみが支給されることのないよう、65歳以後は3級から2級、1級への等級改定はおこなわれない。
なお、65歳以上の3級障害厚生年金の受給権者のうち、以前に2級又は1級の状態に該当していたことがあり、障害基礎年金の受給権を有している者については、以上のような問題が生じないため、障害の状態が増進して再び2級に該当したときは、障害基礎年金については支給停止が解除され、障害厚生年金についても3級から2級に等級改定が行われることになっている。
しかしながら、老齢基礎年金の繰上げ受給者等については、障害厚生年金の支給要件の適用に当っては、65歳に達している者と同様とされており、問題文の場合は改定請求の対象とはならない。
よって、問題文は誤りとなる。

(C)誤り
法48条
障害厚生年金の受給権者に対して更に障害厚生年金を支給すべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した障害の程度による障害厚生年金を支給することとされている。
そして、前後の障害を併合した障害の程度による障害厚生年金の受給権を取得したときは、従前の障害厚生年金の受給権は消滅することとされている。(2以上の障害が生じた場合の併合認定)
しかし、この併合認定の対象となるのは、先発の障害厚生年金が短期間でも障害等級1級又は2級の状態にあった場合に限られており、問題文の事例のように先発の障害厚生年金が「その権利を取得した当時から障害等級3級に該当する程度の障害」である場合は併合認定の対象とならず、従前の障害厚生年金の受給権も消滅しない。
よって、問題文は誤りとなる。
なお、問題文の事例の場合は、基準障害による障害厚生年金(複数の障害がある場合に一つひとつの障害では障害等級に該当しない場合であっても、複数の障害を併合して初めて障害等級の2級以上に該当するに至ったときに障害基礎年金と同じく障害厚生年金が支給される。)の対象となる。(法47条の3)

(D)誤り
法52条3項
障害厚生年金の受給権者は、実施機関に対し、障害の程度が増進したことによる障害厚生年金の額の改定を請求することができるが、この請求は、障害厚生年金の受給権者の障害の程度が増進したことが明らかである場合として厚生労働省令で定める場合を除き障害厚生年金の受給権を取得した日又は実施機関の診査を受けた日から起算して1年を経過した日後でなければ行うことができないことになっている。
よって、問題文の記述は誤りとなる。

(E)誤り
法53条
障害厚生年金の受給権は、障害等級に該当しないときは、65歳までの間は支給停止とし、65歳に達したときに失権することとされているが、障害等級に該当しなくなった時点から65歳到達までの間が3年未満であるとき(例えば63歳のときに障害等級に該当しなくなったときなど)は、該当しなくなった時点から3年を経過したときに受給権が消滅することとされている。
よって、「その者が65歳に達した日に消滅する。」とした問題文は誤りとなる。

  

→社会保険労務士試験過去問研究室(厚生年金保険法)に戻る
Copyright (C) 2005 社会保険労務士試験情報局 All Rights Reserved