社会保険労務士試験に楽に合格する方法論を研究するサイト
社会保険労務士試験情報局
トップページ過去問研究室(厚生年金保険法) 平成27年厚年-第5問(遺族厚生年金)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成27年厚年-第5問(遺族厚生年金)

遺族厚生年金に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)老齢厚生年金の受給権者が死亡したことにより支給される遺族厚生年金の額の計算における給付乗率については、死亡した者が昭和21年4月1日以前に生まれた者であるときは、生年月日に応じた読み替えを行った乗率が適用される。

(B)遺族厚生年金の受給権者である妻が実家に復籍して姓も婚姻前に戻した場合であっても、遺族厚生年金の失権事由である離縁による親族関係の終了には該当しないため、その受給権は消滅しない。

(C)被保険者が、自己の故意の犯罪行為により、死亡の原因となった事故を生じさせたときは、保険給付の全部又は一部を行なわないことができることとなっており、被保険者が精神疾患のため自殺した場合には遺族厚生年金は支給されない。

(D)老齢厚生年金の受給権者(その計算の基礎となる被保険者期間の月数は240か月以上。)が死亡したことによりその妻(昭和25年4月2日生まれ)に支給される遺族厚生年金は、その権利を取得した当時、妻が65歳以上であっても、経過的寡婦加算が加算される。なお、当該妻は障害基礎年金及び遺族基礎年金の受給権を有しないものとする。

(E)夫(障害の状態にない)に対する遺族厚生年金は、当該夫が60歳に達するまでの期間、支給停止されるが、夫が妻の死亡について遺族基礎年金の受給権を有するときは、支給停止されない。



■解説

(A)正解
法60条1項、法59条1項(昭和60年5月1日法律第34号)
遺族厚生年金を額の計算のおける経過措置として、遺族厚生年金(老齢厚生年金の受給権者等の死亡によって支給される者に限る。)の額を計算する場合に、1000分の5.481の給付乗率を、昭和21年4月1日以前に生まれた者については、生年月日に応じて「1000分の7.308から1000分の5.562」に読み替えて計算することとされている。
よって、問題文は正解となる。

(B)正解
法63条1項、昭和32年2月9日保文発第9485号
遺族年金受給権者である妻が、実家に復籍し姓名も旧に復した場合であっても「離縁によって、死亡した被保険者又は被保険者であった者との親族関係が終了したとき」に該当せず、遺族厚生年金の受給権は失権しないこととされている。
よって、問題文は正解となる。

(C)誤り
昭和35年10月6日保険発第123号
自殺行為は何らかの精神異常に起因して行なわれる場合が多く、たとえ当該行為者が外見上通常人と全く同様の状態にあったとしても、これをもって直ちに故意に保険事故を発生せしめたものとして給付制限を行なうことは適当でないと考えられるため、自殺による遺族年金の支給については、保険者においてそれが正常な精神状態のもとになされたことを積極的に立証しうる場合を除いて、法第73条による給付制限は行なわないこととされている。
よって、「遺族厚生年金は支給されない。」とした問題文は誤りとなる。

(D)正解
法附則73条1項(昭和60年5月1日法律第34号)
遺族厚生年金の中高齢寡婦加算については、受給権者が65歳に達したとき以後はその者に老齢基礎年金が支給されることとなり、これと遺族厚生年金とが併給されることとなることから、そのとき以後中高年齢寡婦加算を行わないことを原則としている。
しかしながら、この場合、昭和31年4月1日までに生まれた者については、昭和61年4月1日から、その者が60歳に達するまでの全期間加入した場合でも、その者が昭和60年改正前に国民年金に任意加入していなかった場合等には老齢基礎年金の額が中高齢寡婦加算の額に満たない場合が生じることから、65歳到達前後において年金額が低下することを防止するため、その者について65歳以後も一定額を経過的に遺族厚生年金の額に加算することとされている。
よって、問題文は正解となる。

(E)正解
法65条の2
夫、父母又は祖父母に対する遺族厚生年金は、受給権者が60歳に達するまでの期間、その支給を停止することとされているが、夫に対する遺族厚生年金については、当該被保険者又は被保険者であった者の死亡について、夫が遺族基礎年金の受給権を有するときは支給停止されないことになっている。
よって、問題文は正解となる。

  

→社会保険労務士試験過去問研究室(厚生年金保険法)に戻る
Copyright (C) 2005 社会保険労務士試験情報局 All Rights Reserved