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トップページ過去問研究室(厚生年金保険法) 平成27年厚年-第6問(法令全般関係)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成27年厚年-第6問(法令全般関係)

厚生年金保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)被保険者が同時にいずれも適用事業所である船舶甲及び事業所乙に使用される場合、当該被保険者を使用する甲及び乙が負担すべき標準賞与額に係る保険料の額は、甲及び乙がその月に支払った賞与額をその月に当該被保険者が受けた賞与額で除して得た数を当該被保険者の保険料の半額に乗じて得た額とし、甲及び乙がそれぞれ納付する義務を負う。

(B)被保険者の使用される船舶について船舶所有者の変更があった場合には、厚生年金保険法第85条の規定に基づいて保険料を納期前にすべて徴収することができる。

(C)保険料に係る延滞金は、保険料額が1,000円未満であるときは徴収しないこととされている。

(D)未支給の保険給付を受けるべき者の順位は、死亡した者と生計を同じくしていたもののうち、死亡した者の配偶者、子(死亡した者が遺族厚生年金の受給権者である夫であった場合における被保険者又は被保険者であった者の子であってその者の死亡によって遺族厚生年金の支給の停止が解除されたものを含む。)、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹及びこれらの者以外の三親等内の親族の順序とする。

(E)老齢厚生年金の額に加算される加給年金額の対象となっている障害の状態にある19歳の子が、「実施機関」が必要と認めた受診命令に従わなかったときは、厚生年金保険法第77条の規定による支給停止が行われることがある。



■解説

(A)誤り
法82条、令4条
被保険者が船舶に使用され、かつ、同時に事業所に使用される場合においては、船舶所有者以外の事業主は保険料を負担せず、保険料を納付する義務を負わないものとし、船舶所有者が当該被保険者に係る保険料の半額を負担し、当該保険料及び当該被保険者の負担する保険料を納付する義務を負うものとされている。
よって、本問の場合は、事業所乙は、標準賞与額に係る保険料の負担、納付義務を負わず、船舶所有者甲のみが、標準賞与額に係る保険料の半額負担及び納付義務を負うことになるため、「甲及び乙がそれぞれ納付する義務を負う。」とした問題文は誤りとなる。

(B)正解
法85条
保険料は、次に掲げる場合においては、納期前であっても、すべて徴収することができることになっている。
1.納付義務者が、次のいずれかに該当する場合
(1)国税、地方税その他の公課の滞納によって、滞納処分を受けるとき。
(2)強制執行を受けるとき。
(3)破産手続開始の決定を受けたとき。
(4)企業担保権の実行手続の開始があったとき。
(5)競売の開始があったとき。
2.法人たる納付義務者が、解散をした場合
3.被保険者の使用される事業所が、廃止された場合
4.被保険者の使用される船舶について船舶所有者の変更があった場合、又は当該船舶が滅失し、沈没し、若しくは全く運航に堪えなくなるに至った場合
よって、問題文は正解となる。
なお、第2号厚生年金被保険者、第2号厚生年金被保険者及び第4号厚生年金被保険者に係る保険料の繰上徴収、保険料その他厚生年金保険法の規定による徴収金の督促及び滞納処分並びに延滞金の徴収については、共済各法の定めるところによるものとされている。(法87条の2)

(C)正解
法87条1項
次のいずれかに該当する場合又は滞納につきやむを得ない事情があると認められる場合は、延滞金は徴収されないことになっている。
1.保険料額が1,000円未満であるとき。
2.納期を繰り上げて徴収するとき。
3.納付義務者の住所若しくは居所が国内にないため、又はその住所及び居所がともに明らかでないため、公示送達の方法によって督促したとき。
よって、問題文は正解となる。
なお、第2号厚生年金被保険者、第2号厚生年金被保険者及び第4号厚生年金被保険者に係る保険料の繰上徴収、保険料その他厚生年金保険法の規定による徴収金の督促及び滞納処分並びに延滞金の徴収については、共済各法の定めるところによるものとされている。(法87条の2)

(D)正解
法37条、令3条の2
未支給の保険給付を受けるべき者の順位は、死亡した者の配偶者、子(死亡した者が遺族厚生年金の受給権者である夫であった場合における被保険者又は被保険者であった者の子であってその者の死亡によって遺族厚生年金の支給の停止が解除されたものを含む。)、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹及びこれらの者以外の三親等内の親族の順序とされている。
よって、問題文は正解となる。

(E)正解
障害等級に該当する程度の障害の状態にあることにより、年金たる保険給付の受給権を有し、又は加給年金額の加算が行われている子が、正当な理由がなくて、実施機関の診断命令に従わず、又は診断を拒んだときは、支給停止の対象となる。
また、故意若しくは重大な過失により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、その障害の回復を妨げたときも支給停止の対象になる。
よって、問題文は正解となる。

  

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