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■平成28年厚年-第2問(保険給付等)

厚生年金保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)障害手当金の受給要件に該当する被保険者が、当該障害手当金に係る傷病と同一の傷病により労働者災害補償保険法に基づく障害補償給付を受ける権利を有する場合には、その者には障害手当金が支給されない。

(B)被保険者である障害厚生年金の受給権者が被保険者資格を喪失した後、被保険者となることなく1か月を経過したときは、資格を喪失した日から起算して1か月を経過した日の属する月から障害厚生年金の額が改定される。

(C)厚生年金保険法第78条の14に規定する特定被保険者(以下本問において「特定被保険者」という。)が障害厚生年金の受給権者である場合、当該障害厚生年金の計算の基礎となった被保険者期間は、3号分割標準報酬改定請求により標準報酬月額及び標準賞与額が改定される期間から除かれる。

(D)経過的寡婦加算が加算された遺族厚生年金の受給権者が国民年金法による障害基礎年金の支給を受ける場合には、遺族厚生年金の経過的寡婦加算の額に相当する部分の支給が停止される。

(E)離婚をし、その1年後に、特定被保険者が死亡した場合、その死亡の日から起算して1か月以内に被扶養配偶者(当該特定被保険者の配偶者として国民年金法に規定する第3号被保険者であった者)から3号分割標準報酬改定請求があったときは、当該特定被保険者が死亡した日の前日に当該請求があったものとみなされる。



■解説

(A)正解
法56条3号
障害の程度を定めるべき日において、当該傷病について国家公務員災害補償法、地方公務員災害補償法若しくは同法に基づく条例、公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する法律若しくは労働基準法第77条の規定による障害補償、労働者災害補償保険法の規定による障害補償給付若しくは障害給付又は船員保険法による障害を支給事由とする給付を受ける権利を有する者には、障害手当金は支給されないことになっている。
よって、問題文は正解となる。

(B)誤り
法51条
障害厚生年金の年金額の計算の基礎となる被保険者期間は、障害認定日までの被保険者期間とされており、障害認定日の属する月後における被保険者であった期間は、その計算の基礎としないこととされている。
よって、障害厚生年金の額の計算には、老齢厚生年金のような退職時改定の仕組みはなく、問題文は誤りとなる。

(C)正解
法78条の14、令3条の12の11
障害厚生年金の受給権者である特定被保険者の被扶養配偶者が3号分割標準報酬改定請求をする場合における特定期間に係る被保険者期間については、当該障害厚生年金の額の計算の基礎となった特定期間に係る被保険者期間を除くものとされている。
よって、問題文は正解となる。

(D)正解
法附則73条1項(昭和60年5月1日法律第34号)
遺族厚生年金の受給権者が障害基礎年金を受給する場合は、経過的寡婦加算の支給を停止することになっている。これは、障害基礎年金は満額の年金額を保障しており老齢基礎年金と事情が異なること及び当該加算は定額相当部分であることから、障害基礎年金との併給は認めないとする趣旨である。
よって、問題文は正解となる。

(E)正解
法78条の14、令3条の12の14
特定被保険者が死亡した日から起算して1か月以内に被扶養配偶者(当該死亡前に当該特定被保険者と3号分割標準報酬改定請求の事由ある離婚又は婚姻の取消しその他第3条の12の10に規定する厚生労働省令で定めるこれらに準ずるものをした被扶養配偶者に限る。)から3号分割標準報酬改定請求があったときは、当該特定被保険者が死亡した日の前日に3号分割標準報酬改定請求があったものとみなされることになっている。なお、原則として、離婚が成立した日等の翌日から起算して2年を経過したときは、被扶養配偶者からの特定期間に係る被保険者期間の標準報酬の改定及び決定の請求を行うことができないことになっている。(則78条の17)
よって、問題文は正解となる。

  

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