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トップページ過去問研究室(厚生年金保険法) 平成29年厚年-第5問(障害年金及び遺族年金)
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■平成29年厚年-第5問(障害年金及び遺族年金)

厚生年金保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)障害手当金の給付を受ける権利は、2年を経過したときは、時効によって消滅する。

(B)実施機関は、障害厚生年金の受給権者が、故意若しくは重大な過失により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、その障害の程度を増進させ、又はその回復を妨げたときは、実施機関の診査による改定を行わず、又はその者の障害の程度が現に該当する障害等級以下の障害等級に該当するものとして、改定を行うことができる。

(C)障害等級1級に該当する障害厚生年金の受給権者が、その受給権を取得した日の翌日以後にその者によって生計を維持している65歳未満の配偶者を有するに至ったときは、当該配偶者を有するに至った日の属する月の翌月から、当該障害厚生年金の額に加給年金額が加算される。

(D)障害厚生年金の受給権を取得した当時は障害等級2級に該当したが、現在は障害等級3級である受給権者に対して、新たに障害等級2級の障害厚生年金を支給すべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した障害の程度による障害厚生年金を支給することとし、従前の障害厚生年金の受給権は消滅する。

(E)15歳の子と生計を同じくする55歳の夫が妻の死亡により遺族基礎年金及び遺族厚生年金の受給権を取得した場合、子が18歳に達した日以後の最初の3月31日までの間は遺族基礎年金と遺族厚生年金を併給することができるが、子が18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したときに遺族基礎年金は失権し、その翌月から夫が60歳に達するまでの間は遺族厚生年金は支給停止される。なお、本問の子は障害の状態にはなく、また、設問中にある事由以外の事由により遺族基礎年金又は遺族厚生年金は失権しないものとする。



■解説

(A)誤り
法92条1項
保険給付を受ける権利(当該権利に基づき支払期月ごとに又は一時金として支払うものとされる保険給付の支給を受ける権利を含む。)は、5年を経過したときに、時効消滅することとされている。
よって、「2年」とした問題文は誤りとなる。

(B)正解
法74条
障害厚生年金の受給権者が、故意若しくは重大な過失により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、その障害の程度を増進させ、又はその回復を妨げたときは、実施機関の診査による改定を行わず、又はその者の障害の程度が現に該当する障害等級以下の障害等級に該当するものとして、改定を行うことができることになっている。
よって、問題文は正解となる。

(C)正解
法50条の2
障害等級の1級又は2級の障害厚生年金の額は、受給権者によって生計を維持しているその者の65歳未満の配偶者がいるときには、配偶者加給年金額が加算されることになっている。そして、障害厚生年金の受給権者がその権利を取得した日の翌日以後にその者によって生計を維持しているその者の65歳未満の配偶者を有することになり配偶者加給年金額が加算されるようになったときは、当該配偶者を有するに至った日の属する月の翌月から、障害厚生年金の額が改定されることになる。
よって、問題文は正解となる。

(D)正解
法48条
障害厚生年金(その権利を取得した当時から引き続き障害等級の1級又は2級に該当しない程度の障害の状態にある受給権者に係るものを除く。)の受給権者に対して更に障害厚生年金(当初から障害等級2級以上であるものに限る。)を支給すべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した障害の程度による障害厚生年金が支給される。そして、前後の障害を併合した障害の程度による障害厚生年金の受給権を取得したときは、従前の障害厚生年金の受給権は消滅することになっている。
よって、問題文は正解である。

(E)正解
法59条1項、65条の2
夫、父母又は祖父母については、被保険者が死亡した当時、55歳以上であることが遺族厚生年金の支給要件とされているが、この場合、その者が60歳に達するまでの間は遺族厚生年金を支給停止することとしている。しかしながら、夫に対する遺族厚生年金については、当該被保険者又は被保険者であった者の死亡について、夫が国民年金法による遺族基礎年金の受給権を有するときは60歳に達するまでの間の支給停止は行われないこととされている。
よって、問題文は正解である。

  

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