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トップページ過去問研究室(厚生年金保険法) 平成29年厚年-第9問(保険給付等)
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■平成29年厚年-第9問(保険給付等)

厚生年金保険法に関する次のアからオの記述のうち、正しいものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。

(ア)子の有する遺族厚生年金の受給権は、その子が母と再婚した夫の養子となったときは消滅する。

(イ)2以上の種別の被保険者であった期間を有する者に係る障害厚生年金の額は、初診日における被保険者の種別に係る被保険者期間のみが計算の基礎とされる。

(ウ)厚生労働大臣は、被保険者の資格、標準報酬、保険料又は保険給付に関する決定に関し、必要があると認めるときは、当該職員をして事業所に立ち入って関係者に質問し、若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができるが、この規定は第2号厚生年金被保険者、第3号厚生年金被保険者又は第4号厚生年金被保険者及びこれらの者に係る事業主については適用されない。

(エ)2以上の種別の被保険者であった期間を有する者の老齢厚生年金の額の計算においては、その者の2以上の被保険者の種別に係る期間を合算して1の期間に係る被保険者期間のみを有するものとみなして平均標準報酬額を算出する。

(オ)未支給の保険給付を受けるべき同順位者が2人以上あるときは、その1人のした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなされ、その1人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなされる。

(A)(アとイ)
(B)(アとエ)
(C)(イとオ)
(D)(ウとエ)
(E)(ウとオ)

■解説

(ア)誤り
法63条1項
遺族厚生年金の受給権は、受給権者が、直系血族及び直系姻族以外の者の養子(届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にある者を含む。)となったときに消滅することになっている。問題文の事例の場合、「母と再婚した夫」は直系姻族となるため養子になっても子の受給権は消滅しない。
よって、「消滅する。」とした問題文は誤りとなる。

(イ)誤り
法78条の30
障害厚生年金の受給権者であって、当該障害に係る障害認定日において2以上の種別の被保険者であった期間を有する者に係る当該障害厚生年金の額については、その者の2以上の被保険者の種別に係る被保険者であった期間を合算し、1の期間に係る被保険者期間のみを有するものとみなして、障害厚生年金の額の計算及びその支給停止に関する規定等を適用することとされている。
よって、「初診日における被保険者の種別に係る被保険者期間のみ」とした問題文は誤りとなる。
なお、2以上の種別の被保険者であった期間を有する者に係る当該障害厚生年金の支給に関する事務は、初診日における被保険者の種別に応じて、その種別に係る実施機関が行うことになっている。(法78条の33)

(ウ)正解
法100条
厚生労働大臣は、被保険者の資格、標準報酬、保険料又は保険給付に関する決定に関し、必要があると認めるときは、事業主に対して、文書その他の物件を提出すべきことを命じ、又は当該職員をして事業所に立ち入って関係者に質問し、若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができることになっている。なお、第2号厚生年金被保険者、第3号厚生年金被保険者又は第4号厚生年金被保険者及びこれらの者に係る事業主については、この規定は、適用しないこととされている。
よって、問題文は正解となる。

(エ)誤り
法78条の26
二以上の種別の被保険者であった期間を有する者に係る老齢厚生年金の額の計算については、それぞれの種別の被保険者であった期間に係る被保険者期間ごとに平均標準報酬額を算出して行うこととされている。
よって、問題文は誤りとなる。

(オ)正解
法37条5項
未支給の保険給付を受けるべき同順位者が2人以上あるときは、その1人のした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、その1人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなすことになっている。
よって、問題文は正解となる。

※正解の組合せは、(ウ)と(オ)であるため、(E)が正解となる。

  

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