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トップページ過去問研究室(厚生年金保険法) 平成30年厚年-第9問(保険給付等)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成30年厚年-第9問(保険給付等)

厚生年金保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)被保険者が厚生年金保険法第6条第1項第3号に規定する船舶に使用され、かつ、同時に事業所に使用される場合においては、船舶所有者(同号に規定する船舶所有者をいう。以下同じ。)以外の事業主は保険料を負担せず、保険料を納付する義務を負わないものとし、船舶所有者が当該被保険者に係る保険料の半額を負担し、当該保険料及び当該被保険者の負担する保険料を納付する義務を負うものとされている。

(B)被保険者期間を計算する場合には、月によるものとし、例えば、平成29年10月1日に資格取得した被保険者が、平成30年3月30日に資格喪失した場合の被保険者期間は、平成29年10月から平成30年2月までの5か月間であり、平成30年3月は被保険者期間には算入されない。なお、平成30年3月30日の資格喪失以後に被保険者の資格を取得していないものとする。

(C)保険給付の受給権者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき保険給付でまだその者に支給しなかったものがあるときは、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていた者であれば、その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹又はこれらの者以外の3親等内の親族は、自己の名で、その未支給の保険給付の支給を請求することができる。

(D)実施機関は、必要があると認めるときは、障害等級に該当する程度の障害の状態にあることにより、年金たる保険給付の受給権を有し、又は厚生年金保険法第44条第1項の規定によりその者について加給年金額の加算が行われている子に対して、その指定する医師の診断を受けるべきことを命じ、又は当該職員をしてこれらの者の障害の状態を診断させることができる。

(E)雇用保険法に基づく基本手当と60歳台前半の老齢厚生年金の調整は、当該老齢厚生年金の受給権者が、管轄公共職業安定所への求職の申込みを行うと、当該求職の申込みがあった月の翌月から当該老齢厚生年金が支給停止されるが、当該基本手当の受給期間中に失業の認定を受けなかったことにより、1日も当該基本手当の支給を受けなかった月が1か月あった場合は、受給期間経過後又は受給資格に係る所定給付日数分の当該基本手当の支給を受け終わった後に、事後精算の仕組みによって直近の1か月について当該老齢厚生年金の支給停止が解除される。



■解説

(A)正解
法82条、令4条
被保険者が船舶に使用され、かつ、同時に事業所に使用される場合においては、船舶所有者以外の事業主は保険料を負担せず、保険料を納付する義務を負わないものとし、船舶所有者が当該被保険者に係る保険料の半額を負担し、当該保険料及び当該被保険者の負担する保険料を納付する義務を負うものとされている。
よって、問題文は正解となる。

(B)正解
法19条1項
被保険者期間を計算する場合には、月によるものとし、被保険者の資格を取得した月からその資格を喪失した月の前月までが算入されることになっている。
問題文の事例の場合は、資格取得した月である平成29年10月から資格喪失した月の前月である平成30年2月までが被保険者期間に算入されることになる。
よって、問題文は正解となる。

(C)正解
法37条1項
保険給付の受給権者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき保険給付でまだその者に支給しなかったものがあるときは、その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹又はこれらの者以外の三親等内の親族であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものは、自己の名で、その未支給の保険給付の支給を請求することができることになっている。
よって、問題文は正解となる。
なお、未支給の保険給付を受けるべき者の順位は、死亡した者の配偶者、子(死亡した者が遺族厚生年金の受給権者である夫であった場合における被保険者又は被保険者であった者の子であってその者の死亡によって遺族厚生年金の支給の停止が解除されたものを含む。)、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹及びこれらの者以外の三親等内の親族の順序とされている。

(D)正解
法97条1項
実施機関は、必要があると認めるときは、障害等級に該当する程度の障害の状態にあることにより、年金たる保険給付の受給権を有し、又は厚生年金保険法第44条第1項の規定によりその者について加算が行われている子に対して、その指定する医師の診断を受けるべきことを命じ、又は当該職員をしてこれらの者の障害の状態を診断させることができることになっている。
よって、問題文は正解となる。

(E)誤り
法附則7条の4、法附則11条の5
特別支給の老齢厚生年金の受給権者が雇用保険法の規定による求職の申込みをしたときは、当該求職の申込みがあった月の翌月から、当該基本手当に係る受給期間が経過するか、又は所定給付日数が満了するに至った月まで当該老齢厚生年金の支給は停止することとされている。しかし、特別支給の老齢厚生年金の支給が停止される各月について、基本手当の支給を受けたとみなされる日及びこれに準ずる日が1日もない月等については、老齢厚生年金の支給停止は行われないこととされている。
よって、問題文は誤りとなる。
なお、雇用保険の基本手当との調整により老齢厚生年金の支給が停止された場合、老齢厚生年金の支給が停止された月数から、基本手当の支給を受けた日とみなされる日の数を30で除して得た数(1未満の端数は1に切上げ)を控除して得た数が1以上であるときは、年金の支給が停止された月のうち、当該控除して得た数に相当する月数分の直近の各月については、支給停止が行われなかったものとみなし、その月の分の老齢厚生年金を支給することとしている。

  

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