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トップページ過去問研究室(労働保険徴収法) 平成23年雇用-第9問(労働保険に係る届出、申請書等)
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■平成23年雇用-第9問(労働保険に係る届出、申請書等)

労働保険に係る届出、申請書等に関する次の記述について、正しいものはどれか。
なお、本問において「継続事業の一括」とは、労働保険徴収法第9条の規定により二以上の事業について成立している保険関係の全部又は一部を一の保険関係とすることをいう。


(A)労働保険の保険関係成立届は、一元適用事業であって労働保険事務組合に事務処理を委託する事業の場合には、所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。

(B)事業主は、雇用保険印紙を購入しようとするときは、あらかじめ、雇用保険印紙の購入申込書を所轄公共職業安定所長に提出して、雇用保険印紙購入通帳の交付を受けなければならない。

(C)一括有期事業報告書は、前年度中又は保険関係が消滅した日までに終了又は廃止したそれぞれの一括された事業の明細を報告するものであり、確定保険料申告書の提出に加え、所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出しなければならない。

(D)継続事業の一括の申請は、一元適用事業の場合は、それぞれの保険に係る保険関係ごとに個別に所轄都道府県労働局長に対して行わなければならない。

(E)労災保険の保険関係が成立している事業が、その使用する労働者の数の減少により労災保険暫定任意適用事業に該当するに至ったときには、遅滞なく、任意加入申請書を所轄都道府県労働局長に提出し、その認可を受けなければならない。



■解説

(A)誤り
法4条の2、則1条、則4条2項
保険関係成立届の提出先は、所轄労働基準監督署長又は所轄公共職業安定所長であるが、具体的な提出先の区分は、一般保険料の徴収に関する事務の所轄の区別に準じて次のとおりとされている。
1.所轄労働基準監督署長に提出するもの
(1)一元適用事業であって労働保険事務組合に事務処理を委託しないもの(雇用保険に係る保険関係のみが成立する事業を除く。)
(2)労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち二元適用事業
2.所轄公共職業安定所長に提出するもの
(1)一元適用事業であって労働保険事務組合に事務処理を委託するもの
(2)一元適用事業であって労働保険事務組合に事務処理を委託しないもののうち雇用保険に係る保険関係のみが成立する事業
(3)雇用保険に係る保険関係が成立している事業のうち二元適用事業
よって、「所轄労働基準監督署長に提出」とした問題文は誤りとなる。

(B)誤り
則41条1項、則42条1項、則43条1項
事業主が雇用保険印紙を購入しようとするときは、あらかじめ、雇用保険印紙購入通帳交付申請書を所轄公共職業安定所長に提出して、雇用保険印紙購入通帳の交付を受ける必要がある。
そして、実際に購入する場合には、購入申込書に購入しようとする雇用保険印紙の種類別枚数、購入年月日、労働保険番号並びに事業主の氏名又は名称及び住所又は所在地を記入し、雇用保険印紙を販売する日本郵便株式会社の営業所(郵便の業務を行うものに限る。)に提出することになっている。
なお、雇用保険印紙は、総務大臣が厚生労働大臣に協議して定める日本郵便株式会社の営業所(郵便の業務を行うものに限る。)において販売されることになっている。
よって、「雇用保険印紙の購入申込書」とした問題文は誤りである。

(C)正解
則34条
一括有期事業については、当該年度における一括有期事業の具体的実施内容を記載した「一括有期事業報告書」を確定保険料申告書を提出する際に、すなわち、次の保険年度の6月1日から40日以内又は保険関係消滅の日から起算して50日以内に、所轄労働基準監督署長を経由して所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出しなければならないことになっている。
よって、問題文は正解となる。

(D)誤り
則10条2項
継続事業の一括の認可を受けようとするときは、「継続事業一括申請書」を指定事業に係る所轄都道府県労働局長に提出しなければならないこととされている。
よって、「保険関係ごとに個別に所轄都道府県労働局長に提出」とした問題文は誤りとなる。
なお、この申請書の提出先の区分は、具体的には、(1)一元適用事業で一般保険料を個別に納付するもの及び労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち二元適用事業については、所轄労働基準監督署長を経由して所轄都道府県労働局長、(2) 一元適用事業で一般保険料を労働保険事務組合に委託して納付するもの及び雇用保険に係る保険関係が成立している事業のうち二元適用事業については、所轄公共職業安定所長を経由して所轄都道府県労働局長に提出することとされている。(則75条)

(E)誤り
整備法5条、法附則2条
労災保険の適用事業又は雇用保険の適用事業に該当する事業が、事業内容の変更(事業の種類の変化)、使用労働者の減少、経営組織の変更等により、労災保険暫定任意適用事業又は雇用保険暫定任意適用事業に該当するに至ったときは、その翌日に、自動的に保険加入の認可があったものとみなすこととされている。(擬制任意適用事業)
よって、「遅滞なく、任意加入申請書を所轄都道府県労働局長に提出し、その認可を受けなければならない」とした問題文は誤りとなる。
なお、反対に労災保険暫定任意適用事業又は雇用保険暫定任意適用事業に該当する事業が、事業内容の変更(事業の種類の変化)、使用労働者の増加、経営組織の変更等により、労災保険の適用事業又は雇用保険の適用事業に該当するに至った場合には、その該当するに至った日を事業が開始された日と同様に扱い、その日に当該事業について労災保険に係る保険関係又は雇用保険に係る保険関係が成立することとされている。(整備法7条、法附則3条)

  

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