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トップページ過去問研究室(労働保険徴収法) 平成24年雇用-第10問(労働保険の保険料)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成24年雇用-第10問(労働保険の保険料)

労働保険の保険料に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)一括された個々の有期事業であって保険年度の末日において終了していないものは、その保険年度の確定保険料の対象から除外し、次年度の概算保険料の対象とする。

(B)雇用保険に係る保険関係が成立している事業において、賃金が毎月末日締切り、翌月10日支払とされている労働者(雇用保険法に規定する「短期雇用特例被保険者」及び「日雇労働被保険者」を除く。)が平成24年1月20日に満64歳となった場合、同年2月10日及び同年3月10日に支払われた当該労働者の賃金は、平成23年度確定保険料の算定に当たり、雇用保険分の保険料算定基礎額となる賃金総額から除かれる。

(C)労働保険徴収法第39条第1項に規定する事業以外の事業であっても、雇用保険法の適用を受けない者を使用する事業については、当該事業を労災保険に係る保険関係及び雇用保険に係る保険関係ごとに別個の事業とみなして一般保険料の額を算定する。

(D)継続事業の事業主が納付した労働保険料の額が、確定保険料の額を超える場合において還付請求が行われないとき、所轄都道府県労働局歳入徴収官は、法令の定めるところにより、その超える額を次の保険年度の概算保険料又は未納の労働保険料等に充当する。

(E)平成24年3月20日締切り、翌月5日支払の月額賃金は、平成23年度保険料の算定基礎額となる賃金総額に含まれる。



■解説

(A)正解
法7条、昭和40年7月31日基発901号
一括された個々の事業であって、保険年度の末日において終了しないものは、その保険年度の確定保険料の対象から除外し、次年度の概算保険料の対象とすることになっている。
よって、問題文は正解となる。

(B)誤り
法11条の2、則15条の2
高齢労働者については、雇用保険の保険料が免除されるが、その対象は保険年度の初日において64歳以上の労働者とされている。問題文の労働者の場合、平成24年1月20日に満64歳となっており、平成23年度の初日(平成23年4月1日)に64歳に到達していないため雇用保険料の免除の対象とはならない。
よって、「雇用保険分の保険料算定基礎額となる賃金総額から除かれる。」とした問題文は誤りとなる。
なお、短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者については、高齢労働者であっても保険料免除の対象とはされていないが、これらの者は、その雇用形態、離職就職状況等が一般被保険者と大きく異なり、保険料を長期間納付したという事情はなく、また、短期雇用あるいは日雇雇用という不安定な雇用形態の職業へ高年齢者の就職を促進するのは望ましくないためである。

(C)正解
法39条1項、整備省令17条1項
労働保険徴収法第39条第1項に規定する事業以外の事業であって、雇用保険法の適用を受けない者又は高年齢労働者のうち短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者以外の者を使用するものについては、当該事業を労災保険に係る保険関係及び雇用保険に係る保険関係ごとに別個の事業とみなして一般保険料の額を算定することとされている。
よって、問題文は正解となる。

(D)正解
法19条6項、則37条
事業主がすでに納付した概算保険料の額が、確定保険料の額を超える場合には、政府は、その超える額を次の保険年度の労働保険料若しくは未納の労働保険料その他労働保険徴収法の規定による徴収金に充当し、又は還付することとされている。そして労働保険料の過納額について事業主による還付の請求がない場合であって、事業主から徴収すべき次の保険年度の概算保険料その他未納の労働保険料等があるときには、所轄都道府県労働局歳入徴収官は、当該超過額を概算保険料等に充当するものとされている。この場合における充当は、事業主の請求ないし承認を要しないが、充当したときは所轄都道府県労働局歳入徴収官は、その旨を事業主に通知しなければなない。
よって、問題文は正解となる。

(E)正解
法19条、昭和24年10月5日基災収5178号
確定保険料の算定基礎となる賃金総額には、その保険年度中に使用した労働者に支払うことが具体的に確定した賃金であれば、その保険年度間に現実に支払われていないもの(例えば3月中に賃金締切日があるが4月以降に支払われる賃金など)も含まれる。なお、その保険年度中に支払われるべき賃金で未払のものも含まれる。
よって、問題文は正解となる。

  

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