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トップページ過去問研究室(労働保険徴収法) 平成27年雇用-第9問(労働保険料の延納)
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■平成27年雇用-第9問(労働保険料の延納)

労働保険料の延納に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)概算保険料について延納が認められている継続事業(一括有期事業を含む。)の事業主は、増加概算保険料の納付については、増加概算保険料申告書を提出する際に延納の申請をすることにより延納することができる。

(B)概算保険料について延納が認められている継続事業(一括有期事業を含む。)の事業主が、労働保険徴収法第17条第2項の規定により概算保険料の追加徴収の通知を受けた場合、当該事業主は、その指定された納期限までに延納の申請をすることにより、追加徴収される概算保険料を延納することができる。

(C)概算保険料について延納が認められている継続事業(一括有期事業を含む。)の事業主が、納期限までに確定保険料申告書を提出しないことにより、所轄都道府県労働局歳入徴収官が労働保険料の額を決定し、これを事業主に通知した場合において、既に納付した概算保険料の額が、当該決定された確定保険料の額に足りないときは、その不足額を納付する際に延納の申請をすることができる。

(D)概算保険料について延納が認められ、前保険年度より保険関係が引き続く継続事業(一括有期事業を含む。)の事業主の4月1日から7月31日までの期分の概算保険料の納期限は、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託している場合であっても、7月10日とされている。

(E)概算保険料について延納が認められている有期事業(一括有期事業を除く。)の事業主の4月1日から7月31日までの期分の概算保険料の納期限は、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託している場合であっても、3月31日とされている。



■解説

(A)正解
則30条
概算保険料の延納をする事業主は、増加概算保険料申告書を提出する際に延納の申請をした場合には、増加概算保険料を、保険料算定基礎額の見込額が増加した日以後について、延納することが認められている。
よって、問題文は正解となる。
なお、増加概算保険料の延納の申請をすることができるのは、当初の概算保険料又は認定決定に係る概算保険料について延納している場合に限られている。

(B)正解
則31条
概算保険料の延納をする事業主は、労働保険徴収法第17条第2項の規定により概算保険料の追加徴収の通知を受けた場合には、その指定された納期限までに延納の申請をすることにより、追加徴収される概算保険料を延納することが認められている。
よって、問題文は正解となる。
なお、増加概算保険料の延納の申請をすることができるのは、当初の概算保険料又は認定決定に係る概算保険料について延納している場合に限られている。

(C)誤り
法18条
延納は、次の概算保険料について、その額が一定額以上であること等一定の要件に該当する場合であって、事業主が申請したときに認められるものである。
(1)保険年度の6月1日から起算して40日以内(又は保険関係成立の当初)に事業主が申告・納付する概算保険料
(2)事業主が申告しないため政府が認定決定した概算保険料及び事業主の申告に誤りがあるため政府が概算保険料の額を認定決定した場合における当該額と既納付の概算保険料との差額
(3)賃金総額等の見込額の増加又は保険料率の変更に伴う増加概算保険料
(4)保険料率の引上げによる概算保険料の追加納付額
よって、確定保険料については延納することができないため、問題文は誤りとなる。

(D)正解
法18条、則27条
継続事業(一括有期事業を含む)の場合は、納付すべき概算保険料の額が40万円以上(労災保険又は雇用保険の一方のみ保険関係が成立している事業の場合は20万円以上)である場合は、概算保険料申告書の提出時に申請することにより、概算保険料を延納することができることになっている。
その場合の概算保険料の延納は、3期に分けて納付することができ、各期の期間及び納期限は次のとおりである。
1期(4月1日から7月31日)→納期限(7月10日)
2期(8月1日から11月30日)→納期限(10月31日)
3期(12月1日から翌年3月31日)→納期限(1月31日)
そして、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託している場合は、第2の期分以降の納期限のうち、10月31日の納期限が11月14日、1月31日の納期限が2月14日となるが、最初の期分の納期限は7月10日である。
よって、問題文は正解となる。

(E)正解
法15条2項、法18条、則28条
事業の全期間が6か月を超える有期事業の場合、概算保険料額が75万円以上であるときは、概算保険料申告書の提出時に申請することにより、概算保険料を延納することができることになっている。
そして、その概算保険料を、その事業の全期間を通じて、毎年4月1日から7月31日まで、8月1日から11月30日まで及び12月1日から翌年3月31日までの各期(期の中途に保険関係が成立した事業については、保険関係成立の日からその日の属する期の末日までの期間が2月を超えるときは保険関係成立の日からその日の属する期の末日までを、2月以内のときは保険関係成立の日からその日の属する期の次の期の末日までを最初の期とする。)に分けて納付することができ、最初の期の納期限は保険関係成立日の翌日から起算して20日以内となっており、2期目以降の納期限は次のようになっている。
4月1日から7月31日→納期限(3月31日)
8月1日から11月30日→納期限(10月31日)
12月1日から翌年3月31日→納期限(1月31日)
よって、保険関係が7月1日に成立した場合は、最初の期が7月1日から11月30日となり、納期限は7月21日となり問題文は正解である。
なお、有期事業については、継続事業の場合と異なり、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託している場合でも、各期の納期限が同じである。

  

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