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トップページ過去問研究室(労働保険徴収法) 平成29年雇用-第10問(労働保険事務組合)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成29年雇用-第10問(労働保険事務組合)

労働保険事務組合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
なお、本問において「委託事業主」とは、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託している事業主をいう。


(A)労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託することができる事業主は、当該労働保険事務組合の主たる事務所が所在する都道府県に主たる事務所をもつ事業の事業主に限られる。

(B)労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託することができる事業主は、継続事業(一括有期事業を含む。)のみを行っている事業主に限られる。

(C)労働保険事務組合の認可を受けようとする事業主の団体又はその連合団体は、事業主の団体の場合は法人でなければならないが、その連合団体の場合は代表者の定めがあれば法人でなくともよい。

(D)労働保険事務組合の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長は、労働保険事務組合の認可の取消しがあったときには、その旨を、当該労働保険事務組合に係る委託事業主に対し通知しなければならない。

(E)委託事業主が労働保険料その他の徴収金の納付のため金銭を労働保険事務組合に交付したときは、当該委託事業主は当該徴収金を納付したものとみなされるので、当該労働保険事務組合が交付を受けた当該徴収金について滞納があり滞納処分をしてもなお徴収すべき残余がある場合においても、当該委託事業主は、当該徴収金に係る残余の額を徴収されることはない。



■解説

(A)誤り
法33条、昭和62年3月10日発労徴13号、平成12年3月31日発労徴31号
労働保険事務組合の主たる事務所が所在する都道府県に隣接する都道府県に主たる事務所が所在する事業の事業主が全委託事業主の20%以内である場合は、その隣接する都道府県に主たる事務所が所在する事業の事業主であっても労働保険事務組合に労働保険事務の委託することが可能である。
よって、問題文は誤りとなる。

(B)誤り
法33条、平成12年3月31日発労徴31号
常時300人(金融業若しくは保険業、不動産業又は小売業を主たる事業とする事業主については50人、卸売業又はサービス業を主たる事業とする事業主については100人)以下の労働者を使用する事業主であれば、有期事業であっても労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託することが可能である。
よって、問題文は誤りとなる。

(C)誤り
法33条、昭和62年3月10日発労徴13号、平成12年3月31日発労徴31号
労働保険事務組合の認可を受けるためには、団体が法人であるか否かは問われないが、法人でない団体にあっては代表者の定めがあることのほか、団体の事業内容、構成員の範囲その他団体の組織、運営方法等が、定款、規約その他団体の基本となる規則において明確に定められ、団体性が明確であることを要するとされている。
よって、問題文は誤りとなる。

(D)正解
則67条2項
労働保険事務組合の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長は、労働保険事務組合の認可の取消しがあったときは、その旨を、当該労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託している事業主に通知しなければならないことになっている。
よって、問題文は正解となる。

(E)誤り
法35条
事業主が労働保険関係法令の規定による労働保険料その他の徴収金の納付のため、金銭を労働保険事務組合に交付したときは、その金額の限度で、労働保険事務組合は、政府に対して当該徴収金の納付の責めに任ずるものとされている。
政府が追徴金又は延滞金を徴収する場合において、その徴収について労働保険事務組合の責めに帰すべき理由があるときは、その限度で、労働保険事務組合は、政府に対して当該徴収金の納付の責めに任ずることになっている。
そして、労働保険事務組合が納付すべき徴収金については、政府が労働保険事務組合に対して滞納処分を行っても、なお徴収すべき残余がある場合に限り、その残余の額を当該事業主から徴収することができることになっている。
よって、「当該委託事業主は、当該徴収金に係る残余の額を徴収されることはない。」とした問題文は誤りとなる。

  

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