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トップページ過去問研究室(労働保険徴収法) 平成30年雇用-第8問(労働保険料)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成30年雇用-第8問(労働保険料)

労働保険料に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)賃金の日額が、11,300円以上である日雇労働被保険者に係る印紙保険料の額は、その労働者に支払う賃金の日額に1.5%を乗じて得た額である。

(B)労働保険徴収法第39条第1項に規定する事業以外の事業(一元適用事業)の場合は、労災保険に係る保険関係と雇用保険に係る保険関係ごとに別個の事業として一般保険料の額を算定することはない。

(C)請負による建設の事業に係る賃金総額については、常に厚生労働省令で定めるところにより算定した額を当該事業の賃金総額とすることとしている。

(D)建設の事業における平成31年度の雇用保険率は、平成30年度の雇用保険率と同じく、1,000分の12である。(一部改正)

(E)労災保険率は、労災保険法の適用を受けるすべての事業の過去5年間の業務災害及び通勤災害に係る災害率並びに二次健康診断等給付に要した費用の額、社会復帰促進等事業として行う事業の種類及び内容その他の事情を考慮して厚生労働大臣が定める。



■解説

(A)誤り
法22条1項
印紙保険料の額は、他の種類の労働保険料(一般保険料、特別加入保険料)の額が保険料算定基準額(賃金)総額等に保険料率を乗じて算定されるのと異なり、三段階の定額制とされている。
印紙保険料の額は、(1)賃金の日額が11,300円以上の者については176円、(2)賃金の日額が8,200円以上11,300円未満の者については146円、(3)賃金の日額が8,200円未満の者については96円となっている。
よって、「賃金の日額に1.5%を乗じて得た額」とした問題文は誤りとなる。

(B)誤り
法39条1項、整備省令17条1項
労働保険徴収法第39条第1項に規定する事業以外の事業であって、雇用保険法の適用を受けない者又は免除対象高年齢労働者を使用するものについては、当該事業を労災保険に係る保険関係及び雇用保険に係る保険関係ごとに別個の事業とみなして一般保険料の額を算定することとされている。
よって、「別個の事業として一般保険料の額を算定することはない。」とした問題文は誤りとなる。

(C)誤り
法11条3項、則12条、則13条
労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち請負による建設事業その他業態の特殊性からして、原則の方法により賃金総額を正確に算定することが困難な事業については、特例による賃金総額の算定の方法が認められている。
よって、「常に厚生労働省令で定めるところにより算定した額」とした問題文は誤りとなる。
なお、賃金総額の特例が認められる事業は、労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち次に掲げる事業で賃金総額を正確に算定することが困難なものに限られている。
(1)請負による建設の事業
(2)立木の伐採の事業
(3)立木の伐採の事業を除き、造林の事業、木炭又は薪を生産する事業その他の林業の事業
(4)水産動植物の採捕又は養殖の事業

(D)正解
平成30年1月30日厚生労働省告示第19号、平成31年3月4日厚生労働省告示第53号
雇用保険料率は事業の種類ごとに「一般の事業」、「農林水産の事業、清酒製造の事業」、「建設の事業」の3つに区分されており、平成31年度の雇用保険料率は平成30年度と変更なく、それぞれ、1,000分の9(一般の事業)、1,000分の11(農林水産の事業、清酒製造の事業)、1,000分の12(建設の事業)となっている。
よって、問題文は正解となる。

(E)誤り
法12条2項
労災保険率は、労災保険法の規定による保険給付及び社会復帰促進等事業に要する費用の予想額に照らし、将来にわたって、労災保険の事業に係る財政の均衡を保つことができるものでなければならないものとし、政令で定めるところにより、労災保険法の適用を受けるすべての事業の過去3年間の業務災害及び通勤災害に係る災害率並びに二次健康診断等給付に要した費用の額、社会復帰促進等事業として行う事業の種類及び内容その他の事情を考慮して厚生労働大臣が定めることとされている。
よって、「過去5年間」とした問題文は誤りとなる。

  

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