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トップページ過去問研究室(労働保険徴収法) 平成30年雇用-第9問(労働保険料の納付等)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成30年雇用-第9問(労働保険料の納付等)

労働保険料の納付等に関する次のアからオの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。

(ア)1日30分未満しか働かない労働者に対しても労災保険は適用されるが、当該労働者が属する事業場に係る労災保険料は、徴収・納付の便宜を考慮して、当該労働者に支払われる賃金を算定の基礎となる賃金総額から除外して算定される。

(イ)確定保険料申告書は、納付した概算保険料の額が確定保険料の額以上の場合でも、所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出しなければならない。

(ウ)継続事業(一括有期事業を含む。)について、前保険年度から保険関係が引き続く事業に係る労働保険料は保険年度の6月1日から起算して40日以内の7月10日までに納付しなければならないが、保険年度の中途で保険関係が成立した事業に係る労働保険料は保険関係が成立した日の翌日から起算して50日以内に納付しなければならない。

(エ)特別加入保険料に係る概算保険料申告書は、所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出しなければならないところ、労働保険徴収法第21条の2第1項の承認を受けて労働保険料の納付を金融機関に委託している場合、日本銀行(本店、支店、代理店、歳入代理店をいう。以下本肢において同じ。)を経由して提出することができるが、この場合には、当該概算保険料については、日本銀行に納付することができない。

(オ)雇用保険に係る保険関係のみが成立している事業の一般保険料については、所轄公共職業安定所は当該一般保険料の納付に関する事務を行うことはできない。

(A)(アとイ)
(B)(アとエ)
(C)(イとウ)
(D)(ウとオ)
(E)(エとオ)



■解説

(ア)誤り
法11条1項・2項
一般保険料の額は、適用単位である事業ごとに、その事業に使用するすべての労働者に支払う賃金の総額に一般保険料についての保険料率を乗じて算定することになっている。
よって、問題文のような規定は存在しないため誤りの肢となる。

(イ)正解
法19条1項、則38条
労働保険料(印紙保険料は除く。)は、当該保険料の算定の対象となる期間の初めに概算額で申告・納付し、その期間が終わってから確定額で申告し、当該確定額と納付した概算保険料額の差額(納付した概算保険料がないときは当該確定額)を納付する仕組みをとっている。
よって、問題文は正解となる。

(ウ)正解
法15条1項
保険年度の中途に労働保険の保険関係が成立した継続事業については、保険関係が成立した日から50日以内(翌日起算)に概算保険料を納付する必要があり、保険年度の当初において保険関係が成立している継続事業についてはその保険年度の6月1日から40日以内(7月10日まで)に概算保険料を納付する必要がある。
よって、問題文は正解となる。

(エ)誤り
則38条1項・2項6号
口座振替による納付の承認を受けて労働保険料の納付を金融機関に委託している場合、概算保険料申告書を日本銀行経由で所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出することができない。
なお、労働基準監督署を経由して提出することはできる。
よって、問題文は誤りとなる。

(オ)正解
則1条3項、則38条3項、整備省令18条
労働保険料その他の徴収金は、一定の区分にしたがって、日本銀行又は都道府県労働局労働保険特別会計収入官吏(都道府県労働局収入官吏)若しくは労働基準監督署労働保険特別会計収入官吏(労働基準監督署収入官吏)に納付しなければならないことになっており、公共職業安定所においては、一般保険料の申告納付事務は取扱わない。
よって、問題文は正解となる。

※誤っているものの組合せは、(ア)(エ)であるため、(B)が正解となる。

  

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