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トップページ過去問研究室(労働保険徴収法) 平成15年労災-第9問(労災保険料率等)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成15年労災-第9問(労災保険料率等)

次の記述のうち、正しいものはどれか。
なお、以下この問において「徴収法」とは、「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」のことである。


(A)建設の事業及び立木の伐採の事業が数次の請負によって行われる場合には、徴収法の規定の適用については、その事業を一の事業とみなし、元請負人のみが当該事業の事業主となる。

(B)二以上の事業が次の要件に該当する場合には、徴収法の適用については、その全部が一の事業とみなされる。
(1)事業主が同一人であること。
(2)それぞれの事業が,事業の期間が予定される事業であること。
(3)それぞれの事業の規模が,厚生労働省令で定める規模以下であること。
(4)それぞれの事業が,他のいずれかの事業の全部又は一部と同時に行われること。
(5)いずれの事業も数次の請負によって行われるものでないこと。
(6)その他厚生労働省令で定める要件に該当すること。

(C)第1種特別加入保険料率は、労災保険法第33条第1号及び第2号の中小事業主等が行う事業についての労災保険率から、通勤災害に係る災害率を考慮して厚生労働大臣の定める率を減じた率である。

(D)第2種特別加入保険料率は、労災保険法第33条第3号及び第4号の一人親方等の行う事業と同種若しくは類似の事業又は同条第5号の特定作業者の従事する作業と同種若しくは類似の作業を行う事業についての業務災害及び通勤災害に係る災害率(一定の者に関しては、当該同種若しくは類似の事業又は当該同種若しくは類似の作業を行う事業についての業務災害に係る災害率)、社会復帰促進等事業として行う事業の種類及び内容その他の事情を考慮して厚生労働大臣が定める。(一部改正)

(E)第3種特別加入保険料率は、労災保険法第33条第6号及び第7号の海外派遣者が従事する事業と同種又は類似の事業についての労災保険率と同じ率である。



■解説

(A)誤り
法8条1項、則7条
労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち建設の事業が数次の請負によって行なわれる場合には、労働保険徴収法の適用については、その事業を一の事業とみなし、元請負人のみを当該事業の事業主とすることになっている。
よって、「建設の事業及び立木の伐採の事業」とした問題文は誤りである。

(B)誤り
法7条
有期事業の一括に「(5)いずれの事業も数次の請負によって行われるものでないこと。」という要件はなく、問題文は誤りとなる。
なお、「厚生労働省令で定める規模以下」とは、次の要件すべてに該当する規模をいう。(則6条1項)
1.概算保険料の額に相当する額が、160万円未満であること
2.建設の事業にあっては、請負金額1億9,000万円未満であり、立木の伐採の事業にあっては、素材の見込生産量が1,000立方メートル未満であること

また、「その他厚生労働省令で定める要件」と次のようになっている。(則6条2項)
1.それぞれの事業が、労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち、建設の事業又は立木の伐採の事業であること
2.それぞれの事業が、事業の種類を同じくすること(労災保険料表の事業の種類が同じであること)
3.それぞれの事業に係る労働保険料の納付の事務が一の事務所(一括事務所)で取り扱われること
4.それぞれの事業が、一括事務所の所在地を管轄する都道府県労働局の管轄区域又はこれと隣接する都道府県労働局の管轄区域(厚生労働大臣が指定する都道府県労働局の管轄区域を含む。)内で行われること

(C)誤り
法13条、則21条の2
第1種特別加入保険料率は、その事業についての労災保険率から労災保険法の適用を受けるすべての事業の過去3年間の二次健康診断等給付に要した費用の額を考慮して厚生労働大臣の定める率を減じた率とされている。
なお、厚生労働大臣の定める率は、零とされている。
よって、「通勤災害に係る災害率を考慮して厚生労働大臣の定める率を減じた率」とした問題文は誤りである。

(D)正解
法14条1項
第2種特別加入保険料率は、問題文のとおり厚生労働大臣が定めることになっている。
なお、第2種特別加入保険料率は、事業又は作業の種類(17区分)ごとに1,000分の51から1,000分の4の範囲で定められている。(則23条、則別表第5)

(E)誤り
法14条の2第1項
第3種特別加入保険料率は、海外派遣者が従事する事業と同種又は類似の事業についての業務災害及び通勤災害に係る災害率、労働福祉事業として行う事業の種類及び内容その他の事情を考慮して厚生労働大臣の定める率とされている。
なお、第3種特別加入保険料率は、事業又は作業の種類にかかわらず、一律1,000分の5と定められている。(則23条の3)
よって、「海外派遣者が従事する事業と同種又は類似の事業についての労災保険率と同じ率」とした問題文は誤りである。

  

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