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トップページ過去問研究室(労働保険徴収法) 平成20年労災-第9問(不服申立て)
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■平成20年労災-第9問(不服申立て)

次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)事業主が所定の期限までに確定保険料申告書を提出せず、政府が確定保険料の額を決定したとき、当該決定処分について不服申立てを行う場合には、厚生労働大臣に対する異議申立てをしなければならない。

(B)追徴金の徴収の決定処分の取消しに関する訴訟は、いかなる場合においても、当該決定処分についての審査請求に対する厚生労働大臣の裁決を経た後でなければ、提起することができない。

(C)延滞金の徴収の決定処分について不服申立てを行う場合には、当該決定処分の処分庁たる都道府県労働局歳入徴収官に対する異議申立てをすることができる。

(D)事業主が所定の期限までに提出した確定保険料申告書の記載に誤りがあり、政府が確定保険料の額を決定したとき、当該決定処分の取消しに関する訴訟は、当該決定処分についての異議申立てに対する都道府県労働局歳入徴収官の決定を経た後であれば、提起することができる。

(E)追徴金の徴収の決定処分について不服申立てを行う場合には、当該決定処分の処分庁たる都道府県労働局歳入徴収官に対する異議申立てをすることはできない。



■解説

(A)誤り
法37条、行政不服審査法3条、昭和37年9月29日基発第1021号
概算保険料の認定決定又は確定保険料の認定決定について不服がある場合は、処分があったことを知った日の翌日から起算して60日以内、かつ、処分があった日の翌日から起算して1年を経過する前までに書面(異議申立書)を都道府県労働局歳入徴収官に提出して異議申立てを行わなければならない。
よって、「厚生労働大臣に対する異議申立て」とした問題文は誤りとなる。

(B)誤り
法38条、行政事件訴訟法8条2項
処分の取消しに関する訴訟は原則として、当該処分についての審査請求に対する厚生労働大臣の裁決又は当該処分についての異議申立てに対する厚生労働大臣の決定を経た後でなければ、提起することができないとされているが、(1)審査請求があった日から3箇月を経過しても裁決がないとき、(2)処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる著しい損害を避けるため緊急の必要があるとき、(3)その他裁決を経ないことにつき正当な理由があるときには、裁決を経ないで、処分の取消しの訴えを提起することが認められている。
よって、「いかなる場合においても」とした問題文は誤りとなる。

(C)誤り
法37条、行政不服審査法5条、昭和37年9月29日基発第1021号
概算保険料の認定決定又は確定保険料の認定決定以外の労働保険徴収法の規定に関する処分について不服がある場合は、処分があったことを知った日の翌日から起算して60日以内、かつ、処分があった日の翌日から起算して1年を経過する前までに書面(審査請求書)を厚生労働大臣に提出して審査請求を行わなければならない。
よって、「都道府県労働局歳入徴収官に対する異議申立て」とした問題文は誤りとなる。

(D)誤り
法37条、法38条、行政不服審査法5条、行政不服審査法20条、行政事件訴訟法8条
概算保険料の認定決定又は確定保険料の認定決定について不服がある場合は、処分があったことを知った日の翌日から起算して60日以内、かつ、処分があった日の翌日から起算して1年を経過する前までに書面(異議申立書)を都道府県労働局歳入徴収官に提出して異議申立てを行う。
その異議申立ての決定に不服がある場合は、異議申立てについての決定があったことを知った日の翌日から起算して30日以内、かつ、異議申立てについての決定があった日の翌日から起算して1年を経過する前までに書面(審査請求書)を厚生労働大臣に提出して審査請求を行う。
そして、原則として、その審査請求に対する厚生労働大臣の裁決を経た後でなければ、処分の取消しの訴えを提起することはできないことになっている。(不服申立前置主義)
よって、「異議申立てに対する都道府県労働局歳入徴収官の決定を経た後であれば、提起することができる。」とした問題文は誤りとなる。

(E)正解
法37条、行政不服審査法5条、昭和37年9月29日基発第1021号
概算保険料の認定決定又は確定保険料の認定決定以外の労働保険徴収法の規定に関する処分について不服がある場合は、処分があったことを知った日の翌日から起算して60日以内、かつ、処分があった日の翌日から起算して1年を経過する前までに書面(審査請求書)を厚生労働大臣に提出して審査請求を行う必要がある。(異議申立てはできない。)
よって、問題文は正解となる。

  

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