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トップページ過去問研究室(労働保険徴収法) 平成30年労災-第9問(追加徴収等)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成30年労災-第9問(追加徴収等)

労働保険徴収法第17条に規定する追加徴収等に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

(ア)政府が、保険年度の中途に、一般保険料率、第1種特別加入保険料率、第2種特別加入保険料率又は第3種特別加入保険料率の引上げを行ったときは、増加した保険料の額の多少にかかわらず、法律上、当該保険料の額について追加徴収が行われることとなっている。

(イ)政府が、保険年度の中途に、一般保険料率、第1種特別加入保険料率、第2種特別加入保険料率又は第3種特別加入保険料率の引下げを行ったときは、法律上、引き下げられた保険料の額に相当する額の保険料の額について、未納の労働保険料その他この法律による徴収金の有無にかかわらず還付が行われることとなっている。

(ウ)追加徴収される概算保険料については、所轄都道府県労働局歳入徴収官が当該概算保険料の額の通知を行うが、その納付は納付書により行われる。

(エ)追加徴収される概算保険料については、延納をすることはできない。

(オ)追加徴収される増加概算保険料については、事業主が増加概算保険料申告書を提出しないとき、又はその申告書の記載に誤りがあると認められるときは、所轄都道府県労働局歳入徴収官は増加概算保険料の額を決定し、これを当該事業主に通知しなければならない。

(A)一つ
(B)二つ
(C)三つ
(D)四つ
(E)五つ



■解説

(ア)正解
法17条1項
保険料率引き上げによる概算保険料の増加額については、増加概算保険料の場合と異なり、額の多少を問わず、
徴収される。
よって、問題文は正解となる。
保険料率の改定を行う場合には、保険年度の当初から新しい保険料率を適用することとするのが最も望ましいが、事情によっては、保険年度の途中から保険料率の引上げを実施しなければならないこともあり得る。
このような場合、政府は、保険料率引上げ前の保険料算定基礎額に基づいて保険料率引上げ後の概算保険料の額を算定し、当該額とすでに納付した概算保険料の額との差額を徴収することとされている。

(イ)誤り
法17条
保険料率引き上げによる概算保険料の増加額については、増加概算保険料の場合と異なり、額の多少を問わず、
徴収されるが、引下げがあった場合の概算保険料は還付されない。
よって、「還付が行われる」とした問題文は誤りとなる。
なお、保険料率の引下げがあった場合は、年度更新時に確定保険料で精算することになっている。

(ウ)正解
法17条2項、則26条、則38条
所轄都道府県労働局歳入徴収官は、労働保険料を追加徴収しようとする場合には、通知を発する日から起算して30日を経過した日をその納期限と定め、事業主に、保険料率の引上げによる労働保険料の増加額及びその算定の基礎となる事項、納期限を通知しなければならず、その納付は納付書により行われる。
よって、問題文は正解となる。

(エ)誤り
法18条、則31条
概算保険料の延納をする事業主は、労働保険徴収法第17条第2項の規定により概算保険料の追加徴収の通知を受けた場合には、その指定された納期限までに延納の申請をすることにより、追加徴収される概算保険料を延納することが認められている。
よって、「延納をすることはできない。」とした問題文は誤りとなる。
なお、増加概算保険料の延納の申請をすることができるのは、当初の概算保険料又は認定決定に係る概算保険料について延納している場合に限られている。

(オ)誤り
法15条3項、16条、17条
増加概算保険料については、その性格上、政府による「認定決定」は行われない。
よって、問題文は誤りとなる。

※誤っているものは、(イ)(エ)(オ)であるため、(C)が正解となる。

  

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