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トップページ > 過去問研究室(労働基準法)> 令和1年労基-第3問(労働基準法の総則) | |||||
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労働基準法の総則に関する次のアからオの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。 (ア)労働基準法第4条が禁止する「女性であることを理由」とした賃金についての差別には、社会通念として女性労働者が一般的に勤続年数が短いことを理由として女性労働者の賃金に差別をつけることが含まれるが、当該事業場において実際に女性労働者が平均的に勤続年数が短いことを理由として女性労働者の賃金に差別をつけることは含まれない。 (イ)労働基準法第5条は、使用者は、労働者の意思に反して労働を強制してはならない旨を定めているが、このときの使用者と労働者との労働関係は、必ずしも形式的な労働契約により成立していることを要求するものではなく、事実上の労働関係が存在していると認められる場合であれば足りる。 (ウ)労働基準法第7条に基づき「労働者が労働時間中に、選挙権その他公民としての権利を行使」した場合の給与に関しては、有給であろうと無給であろうと当事者の自由に委ねられている。 (エ)いわゆる芸能タレントは、「当人の提供する歌唱、演技等が基本的に他人によって代替できず、芸術性、人気等当人の個性が重要な要素となっている「当人に対する報酬は、稼働時間に応じて定められるものではない」「リハーサル、出演時間等スケジュールの関係から時間が制約されることはあっても、プロダクション等との関係では時間的に拘束されることはない「契約形態が雇用契約ではない」のいずれにも該当する場合には、労働基準法第9条の労働者には該当しない。 (オ)私有自動車を社用に提供する者に対し、社用に用いた場合のガソリン代は走行距離に応じて支給される旨が就業規則等に定められている場合、当該ガソリン代は、労働基準法第11条にいう「賃金」に当たる。 (A)(アとウ) (B)(アとエ) (C)(アとオ) (D)(イとエ) (E)(イとオ)
(ア)誤り 法4条、昭和22年9月13日発基17号、平成9年9月25日基発648号 「女性であることを理由として」とは、労働者が女性であることのみを理由として、あるいは社会通念として又は当該事業場において女性労働者が一般的又は平均的に能率が悪いこと、勤続年数が短いこと、主たる生計の維持者ではないこと等を理由とすることの意であり、これらを理由として、女性労働者に対し賃金に差別をつけることは違法であることとされている。 よって、問題文は誤りとなる。 (イ)正解 法5条、昭和23年3月2日基発381号 「労働者の意思に反して労働を強制」するとは、不当なる手段を用いることによって、使用者が労働者の意識ある意思を抑圧し、その自由な発現を妨げ以て労働すべく強要することをいう。従って必ずしも労働者が現実に「労働」することを必要としない。例えば労働契約を締結するに当たり「精神又は身体の自由を不当に拘束する手段」が用いられ、それが意識ある意思を抑圧し労働することを強要したものであれば、本条を適用する。 これに反し、詐欺の手段が用いられても、それは、通常労働者は無意識の状態にあって意思を抑圧されるものではないから、必ずしもそれ自体としては本条に該当しない。 よって、問題文は正解となる。 (ウ)正解 法7条、昭和22年11月27日基発399号 公民権行使の保障の規定は、給与に関しては、何等触れられていないから、有給たると無給たるとは、当事者に委ねられた問題とされている。 よって、問題文は正解となる。 (エ)正解 法9条、昭和63年7月30日基収355号 いわゆる芸能タレントについては、次のいずれにも該当する場合には、労働基準法第9条の労働者には該当しないとされている。 (1)当人の提供する歌唱、演技等が基本的に他人によって代替できず、芸術性、人気等当人の個性が重要な要素となっていること。 (2)当人に対する報酬は、稼働時間に応じて定められるものではないこと。 (3)リハーサル、出演時間等スケジュールの関係から時間が制約されることはあっても、プロダクション等との関係では時間的に拘束されることはないこと。 (4)契約形態が雇用契約ではないこと。 よって、問題文は正解となる。 (オ)誤り 法11条、昭和28年2月10日基収6212号、昭和63年3月14日基発150号 私有自動車を社用に提供する者に対し、その維持費を私有自動車維持費支給規程等により支給する場合、私有自動車を社用に用いた走行距離に応じて支給されるガソリン代は実費弁済であり「賃金」には該当しない。 よって、「賃金に当たる」とした問題文は誤りとなる。 ※誤っているものの組合せは、(ア)と(オ)であるため、(C)が正解となる。 |
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