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トップページ > 過去問研究室(労働基準法)> 平成19年労基-第7問(労働基準法に定める妊産婦等) | ||||||
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労働基準法に定める妊産婦等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 (A)使用者は、労働基準法第65条第2項の規定により、産後8週間を経過しない女性を就業させてはならないが、同法第41条第2号に規定する監督又は管理の地位にある女性及び産後6週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせることは、差し支えない。 (B)使用者は、労働基準法第65条第3項の規定により、妊娠中の女性及び産後1年を経過しない女性(以下「妊産婦」という。)が請求した場合においては、他の軽易な業務に転換させなければならない。 (C)妊娠中の女性は、労働基準法第65条第3項による軽易な業務への転換の請求及び同法第66条第3項による深夜業をさせないことの請求のいずれか一方又は双方を同時に行うことができる。 (D)使用者は、労働基準法第66条第2項の規定により、妊産婦が請求した場合においては、同法第33条第1項及び第3項並びに第36条第1項の規定にかかわらず、時間外労働又は休日労働をさせてはならないが、この第66条第2項の規定は、同法第41条第2号に規定する監督又は管理の地位にある妊産婦にも適用される。 (E)労働基準法第67条第1項においては、「生後満1年に達しない生児を育てる女性は、第34条の休憩時間のほか、労働時間の途中において、1日2回各々少なくとも30分、その生児を育てるための時間を請求することができる。」と規定されている。
(A)誤り 法41条2号、法65条2項 労働基準法第4章(労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇)、第6章(年少者)及び第6章の2(妊産婦等)で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次に該当する労働者については適用されない。 (1)農業、畜産業、養蚕業、水産業に従事する者 (2)監督又は管理の地位にある者 (3)機密の事務を取り扱う者 (4)監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの しかしながら、上記の労働時間等の規定が適用されない者であっても深夜業、年次有給休暇、産前産後休業に関する規定は除外されていない。 よって、「監督又は管理の地位にある女性」であっても、産後8週間を経過しない女性を就業させてはならず(産後6週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせることは、差し支えない。) 、問題文は誤りとなる。 (B)誤り 法65条3項 使用者は、妊娠中の女性が請求した場合においては、他の軽易な業務に転換させなければならないが、「産後1年を経過しない女性」が請求したとしても他の軽易な業務に転換させる必要はない。 よって、問題文は誤りとなる。 (C)正解 法65条3項、法66条3項、昭和61年3月20日基発151号・婦発69号 妊娠中の女性については、法66条(妊産婦の就業制限)に基づく請求及び法65条3項に基づく軽易業務への転換の請求のいずれか一方又は双方を行うことを妨げるものではないとされている。 よって、問題文は正解となる。 なお、妊産婦の就業制限の規定については、時間外労働若しくは休日労働についてのみの請求、深夜業についてのみの請求又はそれぞれについての部分的な請求も認められ、使用者はその請求された範囲で妊産婦をこれらに従事させなければ足り、また、妊産婦の身体等の状況の変化等に伴い、請求内容の変更があった場合にも同様であるとされている。 (D)誤り 法41条2号、法66条2項、昭和61年3月20日基発151号・婦発69号 妊産婦のうち、法41条(労働時間等に関する規定の適用除外)に該当する者については、労働時間に関する規定が適用されないため、法66条1項(妊産婦が請求した場合には、変形労働時間制(1か月、1年、1週間)を採用しているときでも法定労働時間を超えて労働させてはならない)及び法66条2項(妊産婦が請求した場合には、非常災害時、36協定締結時であっても時間外・休日労働をさせてはならない)の規定は適用の余地がないが、法66条3項(妊産婦が請求した場合には、深夜業をさせてはならない)の規定は適用され、これらの者が請求した場合にはその範囲で深夜業が制限される。 よって、法66条2項の規定が「監督又は管理の地位にある妊産婦にも適用される」とした問題文は誤りとなる。 (参考)
(E)誤り 法67条1項 法67条1項には「生後満1年に達しない生児を育てる女性は、第34条の休憩時間のほか、1日2回各々少なくとも30分、その生児を育てるための時間を請求することができる。」と規定されている。 よって、「労働時間の途中において」の文言は規定されていないため問題文は誤りとなる。 なお、育児時間を勤務時間の始め又は終りに請求してきた場合にも拒否できないが、育児時間を有給とするか否かは自由とされている。(昭和33年6月25日基収4317号) また、育児時間は、1日の労働時間を8時間とする通常の勤務態様を予想し、1日2回の付与を義務づけるものであって、1日の労働時間が4時間以内であるような場合には、1日1回の付与で足りるとされている。(昭和36年1月9日基収8996号) |
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