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■平成22年労基-第7問(労働基準法上の労使協定等)

労働基準法上の労使協定等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)労働基準法第36条第1項等に定める労働基準法上の労使協定が有する労働基準法の規制を解除する効力(労働基準法上の基準の強行的・直律的効力〔13条〕の解除、労働基準法上の罰則〔117条以下〕の適用の解除)は、労使協定の締結に反対している労働者には及ばない。

(B)労働基準法第36条第1項等に定める労働基準法上の労使協定を締結する労働者側の当事者は、当該事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者とされており、労働者の過半数を代表する者の選出は、必ず投票券等の書面を用いた労働者による投票によって行わなければならない。

(C)労働基準法第41条第2号に定めるいわゆる管理監督者に当たる者であっても、労働基準法第9条に定める労働者に該当し、当該事業場の管理監督者以外の労働者によって選出された場合には、労働基準法第36条第1項等に定める労働基準法上の労使協定を締結する労働者側の当事者である過半数を代表する者になることができる。

(D)労働基準法第38条の4第1項に定めるいわゆる労使委員会は、同条が定めるいわゆる企画業務型裁量労働制の実施に関する決議のほか、労働時間・休憩及び年次有給休暇に関する労働基準法上の労使協定に代替する決議を行うことができるものとされている。

(E)労働基準法第38条の4第1項に定めるいわゆる労使委員会の労働者側委員は、当該事業場の労働者の投票又は挙手によって選出されなければならない。



■解説

(A)誤り
法36条
法36条第1項等に定める労働基準法上の労使協定が有する労働基準法の規制を解除する効力が及ぶ人的適用範囲は、当該事業場の全労働者についてであり、労使協定の締結に反対している労働者にもその効力は及ぶとされている。
よって、「労使協定の締結に反対している労働者には及ばない」とした問題文は誤りとなる。
なお、労働基準法上の労使協定の効力は、その協定に定めるところによって労働させても労働基準法に違反しないという免罰効果をもつものであり、労働者の民事上の義務は、当該協定から直接生じるものではなく、労働協約、就業規則等の根拠が必要であるとされている。(昭和63年1月1日基発1号)

(B)誤り
法36条、則6条の2、平成11年3月31日基発169号
労働者の過半数を代表する者の選出は、協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手、労働者の話合い、持ち回り決議等労働者の過半数が当該者の選任を支持していることが明確になる民主的な手続等の方法による手続により選出された者であることとされている。
よって、「必ず投票券等の書面を用いた労働者による投票によって行わなければならない」とした問題文は誤りとなる。

(C)誤り
法36条、則6条の2
法第41条第2号に規定する監督又は管理の地位にある者は、労働基準法上の労使協定を締結する過半数を代表する者になることはできない。
よって、「過半数を代表する者になることができる」とした問題文は誤りとなる。

(D)正解
法38条の4第5項
労使委員会は、企画業務型裁量労働制の実施に関する決議のほか、労働時間・休憩及び年次有給休暇に関する労働基準法上の労使協定に代替する決議を行うことができる。
よって、問題文は正解となる。

(E)誤り
法38条の4第2項
労使委員会の委員の半数については、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組 合がない場合においては労働者の過半数を代表する者に任期を定めて指名されることとされている。
よって、「労使委員会の労働者側委員は、当該事業場の労働者の投票又は挙手によって選出されなければならない。」とした問題文は誤りとなる。
なお、労使委員会の委員の指名は、法41条第2号に規定する監督又は管理の地位にある者以外の者について行わなければならないことになっている。(則24条の2の4第1項)

  

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