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トップページ > 過去問研究室(労働基準法)> 平成26年労基-第3問(労働基準法に定める賃金) | |||||
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労働基準法に定める賃金に関する次の記述のうち、労働基準法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。 (ア)賞与、家族手当、いわゆる解雇予告手当及び住宅手当は、労働基準法第11条で定義する賃金に含まれる。 (イ)労働基準法第108条に定める賃金台帳に関し、同法施行規則第54条第1項においては、使用者は、同法第33条若しくは同法第36条第1項の規定によって労働時間を延長し、若しくは休日に労働させた場合又は午後10時から午前5時(厚生労働大臣が必要であると認める場合には、その定める地域又は期間については午後11時から午前6時)までの間に労働させた場合には、その延長時間数、休日労働時間数及び深夜労働時間数を、労働者各人別に、賃金台帳に記入しなければならず、また、同様に、基本給、手当その他賃金の種類ごとにその額も賃金台帳に記入しなければならないこととされている。 (ウ)ある会社で労働協約により6か月ごとに6か月分の通勤定期乗車券を購入し、それを労働者に支給している。この定期乗車券は、労働基準法第11条に規定する賃金であり、各月分の賃金の前払いとして認められるから、平均賃金算定の基礎に加えなければならない。 (エ)通勤手当は、労働とは直接関係のない個人的事情に基づいて支払われる賃金であるから、労働基準法第37条の割増賃金の基礎となる賃金には算入しないこととされている。 (オ)労働基準法第24条第1項に定めるいわゆる「賃金全額払の原則」は、労働者の賃金債権に対しては、使用者は、使用者が労働者に対して有する債権をもって相殺することを許されないとの趣旨を包含するものと解するのが相当であるが、その債権が当該労働者の故意又は過失による不法行為を原因としたものである場合にはこの限りではない、とするのが最高裁判所の判例である。 (A)一つ (B)二つ (C)三つ (D)四つ (E)五つ
(ア)誤り 法11条、昭和23年8月18日基収2520号 賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものとされている。 問題文のうち、解雇予告手当については、退職手当とその内容は類似するものの、過去の労働との関連が薄く、むしろ労働者の予測しない収入の中絶を保護するもので、労働の対償となる賃金には該当しないものとされている。 よって、問題文は誤りとなる。 (イ)正解 法108条、則54条 使用者は、法108条の規定によって、次に掲げる事項を労働者各人別に賃金台帳に記入しなければならないことになっている。 (1)氏名 (2)性別 (3)賃金計算期間 (4)労働日数 (5)労働時間数 (6)法33条若しくは法第36条1項の規定によって労働時間を延長し、若しくは休日に労働させた場合又は午後10時から午前5時(厚生労働大臣が必要であると認める場合には、その定める地域又は期間については午後11時から午前6時)までの間に労働させた場合には、その延長時間数、休日労働時間数及び深夜労働時間数 (7)基本給、手当その他賃金の種類毎にその額 (8)法24条1項の規定によって賃金の一部を控除した場合には、その額 よって、問題文は正解となる (ウ)正解 法11条、昭和25年1月18日基収130号、昭和33年2月13日基発90号 労使間の協定書により通勤費として定期券を購入し、それを支給している場合の定期乗車券は、法11条の賃金であり、従って、これを賃金台帳に記入し又6か月定期乗車券であっても、これは各月分の賃金の前払として認められるから平均賃金算定の基礎に加えなければならないとされている。 よって、問題文は正解となる。 (エ)正解 法37条5項 割増賃金の基礎となる賃金には、家族手当、通勤手当その他厚生労働省令で定める賃金(別居手当、子女教育手当、住宅手当、臨時に支払われた賃金、1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金)は算入しないこととされている。 よって、問題文は正解となる。 なお、「通勤手当」とは、労働者の通勤距離又は通勤に要する実際費用に応じて算定される手当と解されるから、通勤手当は原則として実際距離に応じて算定するが、一定額までは距離にかかわらず一律に支給する場合には、実際距離によらない一定額の部分は通勤手当ではないから、割増賃金の基礎に算入しなければならない。(昭和23年2月20日基発297号) (オ)誤り 日本勧業経済会事件(昭和36年5月31日) 労働基準法第24条第1項に定めるいわゆる「賃金全額払の原則」は、労働者の賃金債権に対しては、使用者は、使用者が労働者に対して有する債権をもって相殺することを許さないとの趣旨を抱合するものと解するのが相当であって、このことは、その債権が不法行為を原因としたものであっても変わりはないというのが最高裁判所の判例である。 よって、「その債権が当該労働者の故意又は過失による不法行為を原因としたものである場合にはこの限りではない」とした問題文は誤りである。 ※正解は、(イ)(ウ)(エ)であるため、(C)が正解となる。 |
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