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■平成30年労基-第3問(時間外及び休日の割増賃金)

労働基準法第35条に定めるいわゆる法定休日を日曜とし、月曜から土曜までを労働日として、休日及び労働時間が次のように定められている製造業の事業場における、労働に関する時間外及び休日の割増賃金に関する記述のうち、正しいものはどれか。

日  月  火  水  木  金  土
休  6  6  6  6  6  6

労働日における労働時間は全て
始業時刻:午前10時、終業時刻:午後5時、休憩:午後1時から1時間


(A)日曜に10時間の労働があると、休日割増賃金の対象になるのは8時間で、8時間を超えた2時間は休日労働に加えて時間外労働も行われたことになるので、割増賃金は、休日労働に対する割増率に時間外労働に対する割増率を加算する必要がある。

(B)日曜の午後8時から月曜の午前3時まで勤務した場合、その間の労働は全てが休日割増賃金対象の労働になる。

(C)月曜の時間外労働が火曜の午前3時まで及んだ場合、火曜の午前3時までの労働は、月曜の勤務における1日の労働として取り扱われる。

(D)土曜の時間外労働が日曜の午前3時まで及んだ場合、日曜の午前3時までの労働に対する割増賃金は、土曜の勤務における時間外労働時間として計算される。

(E)日曜から水曜までは所定どおりの勤務であったが、木曜から土曜までの3日間の勤務が延長されてそれぞれ10時間ずつ労働したために当該1週間の労働時間が48時間になった場合、土曜における10時間労働の内8時間が割増賃金支払い義務の対象労働になる。



■解説

(A)誤り
法37条1項、昭和22年11月21日基発366号、平成11年3月31日基発168号
休日の労働時間が8時間を超えても深夜業に該当しない限り3割5分増で差し支えないとされており、時間外労働に対する割増賃金率を加算する必要はない。
よって、「休日労働に対する割増率に時間外労働に対する割増率を加算する必要がある。」とした問題文は誤りとなる。

(B)誤り
法37条1項、平成6年5月31日基発331号
法定休日である日の午前0時から午後12時までの時間帯に労働した部分が休日労働になる。したがって、法定休日の前日の勤務が延長されて法定休日に及んだ場合及び法定休日の勤務が延長されて翌日に及んだ場合のいずれの場合においても法定休日の日の午前0時から午後12時までの時間帯に労働した部分が3割5分以上の割増賃金の支払を要する休日労働時間となる。
問題文の場合は、午後8時から午後12時までの労働時間が休日割増賃金対象の労働になる。
よって、「その間の労働は全て」とした問題文は誤りとなる。

(C)正解
法37条1項、昭和26年2月26日基収3406号、昭和63年1月1日基発1号、昭和63年3月14日基発150号、平成11年3月31日基発168号
1日とは、午前0時から午後12時までのいわゆる暦日をいうものであり、継続勤務が2暦日にわたる場合には、たとえ暦日を異にする場合でも一勤務として取り扱い、当該勤務は始業時刻の属する日の労働として、当該日の「1日」の労働とされている。
よって、問題文は正解となる。

(D)誤り
法37条1項、平成6年5月31日基発331号
法定休日である日の午前0時から午後12時までの時間帯に労働した部分が休日労働になる。したがって、法定休日の前日の勤務が延長されて法定休日に及んだ場合及び法定休日の勤務が延長されて翌日に及んだ場合のいずれの場合においても法定休日の日の午前0時から午後12時までの時間帯に労働した部分が3割5分以上の割増賃金の支払を要する休日労働時間となる。
問題文の場合は、日曜日の午前0時から午前3時までの労働時間は、休日割増賃金対象の労働になる。
よって、「土曜の勤務における時間外労働時間」とした問題文は誤りとなる。

(E)誤り
法32条、法37条1項、昭和63年1月1日基発1号
問題文の事例の場合、木曜日、金曜日、土曜日は1日の法定労働時間である8時間を超えているため各2時間について割増賃金の支払対象となる。そして、月曜日から水曜日までの18時間と木曜日から土曜日の法定労働時間24時間を合わせると計42時間となるため、1週間の法定労働時間である40時間を超える2時間が割増賃金の対象となる。
よって、土曜における10時間労働の内4時間(1日の法定労働時間超過分2時間と1週間の法定労働時間超過分の2時間)が割増賃金支払い義務の対象労働になるため、問題分は誤りとなる。



  

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