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トップページ過去問研究室(労災保険法) 平成14年労災-第7問(保険給付の費用等)
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■平成14年労災-第7問(保険給付の費用等)

保険給付の費用等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)通勤災害により療養給付を受ける労働者は、500円を超えない範囲内で厚生労働省令で定める額の一部負担金を徴収される。

(B)政府は、事業主が故意又は重大な過失によって生じさせた業務災害の原因である事故について保険給付を行ったときは、労働基準法の規定による災害補償の価額にかかわらず、その保険給付に要した費用に相当する金額の全部を当該事業主から徴収することができる。

(C)事業主が故意又は重大な過失により保険関係の成立に係る届出を怠っている間に生じた事故については、政府は、保険給付の全部又は一部を行わないことができる。

(D)事業主が故意又は重大な過失により一般保険料を納付しない期間(督促状に指定する期限後の期間に限る。)中に生じた事故については、政府は、保険給付の全部又は一部を行わないことができる。

(E)国庫は、予算の範囲内で、労働者災害補償保険事業に要する費用の一部を補助することができる。



■解説

(A)誤り
法31条2項、則44条の2第2項
政府は、通勤災害により療養給付を受ける労働者から、200円を超えない範囲内で一部負担金として徴収することになっている。
なお、一部負担金は原則として200円とされ、健康保険の日雇特例被保険者である場合は100円とされている。ただし、現に療養に要した費用の総額がこの額に満たない場合には、当該現に療養に要した費用の総額に相当する額とすることになっている。
よって、「500円を超えない範囲内で」とした問題文は誤りである。

(参考)
一部負担金が徴収されない場合(則44条の2第1項)
1.第三者の行為によって生じた事故により療養給付を受ける者
2.療養の開始後3日以内に死亡した者その他休業給付を受けない者
3.同一の通勤災害に係る療養給付について既に一部負担金を納付した者

(B)誤り
法31条1項3号
政府は、事業主が故意又は重大な過失により生じさせた業務災害の原因である事故について保険給付を行ったときは、労働基準法の規定による災害補償の価額の限度でその保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部を事業主から徴収することができるとされている。
よって、問題文は「労働基準法の規定による災害補償の価額にかかわらず」及び「金額の全部を当該事業主から徴収する」としているので誤りとなる。

(C)誤り
法31条1項1号
事業主が故意又は重大な過失により保険関係の成立に係る届出をしていない期間中に生じた事故について、政府は、その保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部を事業主から徴収することができるとされている。
よって、保険関係成立届を提出してない期間中に生じた事故については「保険給付の全部又は一部を行わない(支給制限)」のでなく、事業主からの特別の費用徴収の対象となっているので、問題文は誤りである。

(D)誤り
法31条1項2号
事業主が一般保険料を納付しない期間(督促状に指定する期限後の期間に限る。)中に生じた事故について、政府は、その保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部を事業主から徴収することができるとされている。
よって、一般保険料の滞納期間中に生じた事故については「保険給付の全部又は一部を行わない(支給制限)」のでなく、事業主からの特別の費用徴収の対象となっているので、問題文は誤りである。
なお、特別加入保険料を滞納している期間中に生じた事故については支給制限の対象となる。(法34条1項4号、法35条1項7号、法36条1項3号)

(E)正解
法32条
国庫は、予算の範囲内において、労働者災害補償保険事業に要する費用の一部を補助することができるとされている。

  

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