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トップページ過去問研究室(労災保険法) 平成15年労災-第2問(未支給の保険給付)
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■平成15年労災-第2問(未支給の保険給付)

未支給の保険給付(遺族補償給付及び遺族給付に関するものを除く。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)保険給付を受ける権利を有する者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき保険給付でまだその者に支給しなかったものがあるときは、その者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。以下この問において同じ。)、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものは、自己の名で、その未支給の保険給付の支給を請求することができる。

(B)未支給の保険給付を受けるべき者の順位は、配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹の順序による。

(C)未支給の保険給付を受けるべき同順位者が2人以上あるときは、その1人がした請求は、全員のためその全額についてしたものとみなされ、その1人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなされる。

(D)保険給付を受ける権利を有する者が死亡した場合において、死亡した者が死亡前にその保険給付を請求していなかったときに、自己の名でその保険給付を請求することができるのは、死亡した者の相続人である。

(E)未支給の保険給付を受ける権利を有する者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき未支給の保険給付でまだその者に支給しなかったものがあるときは、その者の相続人が、その未支給の保険給付の請求権者となる。



■解説

(A)正解
法11条1項
未支給の保険給付については、死亡した者の配偶者(内縁関係を含む)、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていた者は自己の名で、未支給の保険給付を請求することができる。

(参考)
未支給の保険給付に関する通達(昭和41年1月31日基発73号)

1.未支給給付に関する規定は、その限りで相続に関する民法の規定を排除するものであるが、未支給給付の請求権者がない場合には、保険給付の本来の死亡した受給権者の相続人がその未支給給付の請求権者となる。

2. 「未支給の保険給付」とは、支給事由が生じた保険給付であって、請求されていないもの並びに請求はあったがまだ支給決定がないもの及び支給決定はあったがまだ支払われていないものをいう。

3. 「生計を同じくする」とは、一個の生計順位の構成員であるということであるから、生計を維持されていることを要せず、また、必ずしも同居していることを要しないが、生計を維持されている場合には、生計を同じくしているものと推定して差し支えない。

(B)正解
法11条3項、昭和41年1月31日基発73号
未支給給付の請求権者の順位は、死亡した受給権者の配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹の順序による。ただし、遺族補償年金の未支給給付にあっては、遺族補償年金を受けるべき順序による。

(C)正解
法11条4項、昭和41年1月31日基発73号
未支給給付については、手続を簡素化するため、同順位者が2人以上ある場合について、特別の規定(問題文の規定)が設けられているので、請求人の1人に全額を支給すればよいこととなる。
ただし、2人以上が同時に請求した場合に、請求人の人数で等分して各人に支給することを排除する趣旨のものではないとされている。

(D)誤り
法11条2項
死亡した者が死亡前にその保険給付を請求していなかったときは、未支給の保険給付を請求することができる者は、自己の名で、その保険給付を請求することができることになっている。
よって、「死亡した者の相続人」とした問題文は誤りである。

(E)正解
昭和41年1月31日基発73号
未支給給付の請求権者が、その未支給給付を受けないうちに死亡した場合には、その死亡した未支給給付の請求権者の相続人が請求権者となるとされている。

  

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