社会保険労務士試験に楽に合格する方法論を研究するサイト
社会保険労務士試験情報局
トップページ過去問研究室(労災保険法) 平成16年労災-第5問(傷病補償年金又は傷病年金等)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成16年労災-第5問(傷病補償年金又は傷病年金等)

次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)傷病補償年金又は傷病年金は、当該傷病に係る療養の開始後1年6か月を経過した日以後において当該傷病が治っておらず、かつ、当該傷病による障害の程度が厚生労働省令で定める傷病等級に該当する場合に、請求に基づき支給される。

(B)傷病補償年金又は傷病年金の支給を受ける者の障害の程度が軽減して厚生労働省令で定める傷病等級に該当しなくなったときは、その月をもって傷病補償年金又は傷病年金は打ち切られ、また、休業補償給付又は休業給付の支給が再開されることもない。

(C)傷病補償年金又は傷病年金は、当該傷病に係る療養の開始後3年を経過した日以後においても当該傷病が治っておらず、かつ、当該傷病による障害の程度が厚生労働省令で定める傷病等級に該当すると認められる場合には、所轄都道府県労働局長は、職権をもって支給を決定するものとされている。

(D)休業補償給付又は休業給付の支給を受けている労働者が療養開始後3年を経過したときは、労働基準法第19条第1項の規定による解雇制限が解除される。

(E)療養の開始後1年6か月を経過した後の休業補償給付又は休業給付の算定の基礎として用いる休業給付基礎日額と年金たる保険給付の算定の基礎として用いる年金給付基礎日額とは、年齢階層別の最低限度額及び最高限度額が同じである。



■解説

(A)誤り
法12条の8第3項、法23条1項、則18条の2第1項
傷病(補償)年金は、労働者の請求に基づき支給決定されるのではなく、所轄労働基準監督署長の職権により支給決定されることになっている。
よって、問題文は誤りである。

(B)誤り
法14条1項、法18条の2、法22条の2第1項、法23条、昭和52年3月30日発労徴21号・基発192号
傷病(補償)支給を受ける者の障害の程度が軽減し、傷病等級に該当しなくなったときは、その月をもって傷病(補償)年金は打ち切られる。
しかし、傷病は治癒しないが、その傷病による障害の程度が傷病等級表に掲げる傷病の程度に該当しなくなったため傷病(補償)年金の受給権を失った労働者に対しては、その受給権を失った月の翌月から、必要に応じ休業補償給付を行うものとするとされている。
よって、休業(補償)給付の支給が再開されないとした問題文は誤りである。

(C)誤り
法12条の8第3項、法23条、則18条の2第1項
傷病補償年金又は傷病年金は、当該傷病に係る療養の開始後1年6か月を経過した日以後においても当該傷病が治っておらず、かつ、当該傷病による障害の程度が厚生労働省令で定める傷病等級に該当すると認められる場合には、所轄労働基準監督署長は、職権をもって支給を決定するものとされている。
よって、問題文の「療養の開始後3年」、「所轄都道府県労働局長が支給決定する」という部分が誤りとなる。

(D)誤り
法19条
業務上負傷し、又は疾病にかかった労働者が、当該負傷又は疾病に係る療養の開始後3年を経過した日において傷病補償年金を受けている場合又は同日後において傷病補償年金を受けることとなった場合には、3年を経過した日又は傷病補償年金を受けることとなった日において、労働基準法81条の打切補償を支払ったものとみなされ、労働基準法19条1項の解雇制限が解除されることになる。
よって、問題文は「休業補償給付又は休業給付」としているので誤りとなる。

(E)正解
法8条の2第2項、法8条の3第2項
休業給付基礎日額は、療養開始後1年6か月を経過したときから、年金給付基礎日額は、支給開始時から年齢階層別の最低最高限度額の適用がある。
なお、判断に用いる年齢は、休業給付基礎日額は「四半期の初日における年齢」、年金給付基礎日額は「毎年8月1日における年齢」となっているので注意すること。

  

→社会保険労務士試験過去問研究室(労災保険法)に戻る
Copyright (C) 2005 社会保険労務士試験情報局 All Rights Reserved