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トップページ過去問研究室(労災保険法) 平成16年労災-第7問(時効)
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■平成16年労災-第7問(時効)

次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)療養補償給付又は療養給付のうち、療養の給付を受ける権利については療養の必要が生じたときから、療養の費用の支給を受ける権利については療養の費用を支出した日の翌日から、時効が進行する。

(B)傷病補償年金又は傷病年金を受ける権利の時効は、療養開始後3年を経過してなお当該傷病が治っていないことが確認されたときから進行する。

(C)休業補償給付又は休業給付を受ける権利の時効は、休業した日の属する月ごとに、その翌月の初日から進行する。

(D)介護補償給付又は介護給付を受ける権利の時効は、介護を受けた日の属する月ごとに、その翌月の初日から進行する。

(E)二次健康診断等給付を受ける権利の時効は、労災保険法第26条の定める検査において異常な所見があると診断された日の属する月の翌月の初日から進行する。



■解説

(A)誤り
法13条、法22条、法42条、民法166条1項
療養の給付については、現物給付であるために時効の問題は生じない。
なお、療養の費用の支給を受ける権利は、療養に要する費用を支払った日の翌日から2年で時効消滅する。
よって、「療養の費用の支給」に関しては正しいが、「療養の給付」については時効がないので誤りである。

(B)誤り
昭和52年3月30日発労徴第21号・基発第192号
傷病(補償)年金については、被災者の請求によらず政府が職権で給付を決定するものであり、基本権(保険給付を受ける権利)の裁定について時効の問題を生ずることは考えられない。
しかし、支分権(各支払期ごとに発生する支払請求権)については、会計法第30条の規定により5年で時効消滅する。
よって、「療養開始後3年を経過」した地点から時効が進行するとした問題文は誤りである。

(C)誤り
法14条1項、法22条の2、法42条、民法166条1項
休業(補償)給付は、業務上の(通勤による)負傷又は疾病による療養のため労働することができないために賃金を受けない日ごとにその翌日から時効が進行する。
なお、消滅時効は2年である。
よって、「翌月の初日」から時効が進行するとした問題文は誤りである。

(D)正解
法12条の8第4項、法19条の2、法24条、法42条、民法166条1項
介護(補償)給付を受ける権利は、介護を受けた日の翌月初日から起算して2年で時効消滅する。

(E)誤り
法26条1項、法42条、平成13年3月30日基発233号
二次健康診断等を受ける権利は、労働者が一次健康診断の結果を了知し得る日の翌日から起算して2年で時効により消滅するとされている。
よって、「異常所見が発見された月の翌月初日」が二次健康診断等給付の時効の起算日とした問題文は誤りである。
なお、二次健康診断等給付の請求は、原則として一次健康診断を受けた日から3箇月以内に行わなければならないとされている。(則第18条の19第4項)
なので、二次健康診断等給付に関して時効が問題となるのは、二次健康診断の結果に基づき、医師等の特定保健指導を受ける権利についてである。 

  

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