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トップページ過去問研究室(労災保険法) 平成17年労災-第4問(保険給付)
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■平成17年労災-第4問(保険給付)

保険給付に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)療養給付を受ける労働者(厚生労働省令で定める者を除く。)は、その費用の一部として200円(健康保険の日雇特例被保険者にあっては100円)を負担する。ただし、療養給付を受ける労働者に支給する休業給付であって最初に支給すべき事由の生じた日に係るものについて厚生労働省令で定める額を減額した休業給付の支給を受けた労働者については、この限りでない。

(B)業務上の傷病に係る療養の開始後3年を経過した日において傷病補償年金を受けている場合又は同日後において傷病補償年金を受けることとなった場合には、労働基準法第19条第1項の規定の適用については、当該使用者は、それぞれ、当該3年を経過した日又は傷病補償年金を受けることとなった日において、同法により打切補償を支払ったものとみなされる。

(C)休業補償給付又は休業給付は、業務上の事由又は通勤による傷病の療養のため労働することができないために賃金を受けない日の第4日目から支給される。

(D)遺族補償年金又は遺族年金を受ける者に係る「労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたこと」の認定は、当該労働者との同居の事実の有無、当該労働者以外の扶養義務者の有無その他必要な事項を基礎として厚生労働省労働基準局長の定める基準によって行われる。

(E)労働者又は労働者の遺族(遺族となるべき者を含む。)を故意又は重大な過失により死亡させた遺族は、遺族補償給付若しくは遺族給付又は葬祭料若しくは葬祭給付を受けることができない。



■解説

(A)正解
法22条の2第3項、法31条2項、則44条の2
療養給付を受ける労働者は、一部負担金として200円(健康保険の日雇特例被保険者は100円)を負担する必要がある。(実際に療養に要した額が負担すべき一部負担金に満たないときは実費相当額を負担)
そして、徴収方法は、労働者に支給する休業給付の最初に支給すべき事由の生じた日の支給額から一部負担金相当額を減額することによって徴収されることになっている。
なお、休業給付から一部負担金相当額を減額された労働者については、さらに一部負担金を徴収されることはない。

(参考)
一部負担金が徴収されない者
1.第三者の行為によって生じた事故により療養給付を受ける者
2.療養の開始後3日以内に死亡した者その他休業給付を受けない者
3.同一の通勤災害に係る療養給付について既に一部負担金を納付した者

(B)正解
法19条
業務上負傷し、又は疾病にかかった労働者が、当該負傷又は疾病に係る療養の開始後3年を経過した日において傷病補償年金を受けている場合又は同日後において傷病補償年金を受けることとなった場合には、3年を経過した日又は傷病補償年金を受けることとなった日において、労働基準法81条の打切補償を支払ったものとみなされ、労働基準法19条1項の解雇制限が解除されることになる。

(C)正解
法14条1項、法22条の2第2項
休業(補償)給付は、労働者が業務上の負傷又は疾病による療養のため労働することができないために賃金を受けない日の第4日目から支給されることになっている。
なお、業務災害の場合は、当初の3日間(待期期間)について、使用者は労働基準法の規定による休業補償を行う必要がある。

(D)正解
則14条の4
遺族補償給付等に係る生計維持の認定は、労働者との同居の事実の有無、労働者以外の扶養義務者の有無その他必要な事項を基礎として厚生労働省労働基準局長が定める基準によって行うとされている。
なお、生計維持の基準は、労働者の死亡当時、その労働者の収入によって、消費生活の全部又は一部を営んでいた関係が認められる場合には、生計維持関係があったものと認められるとされている。(平成2年7月31日基発486号)

(E)誤り
法16条の9、法22条の4第3項
労働者又は労働者の遺族(遺族となるべき者を含む。)を故意に死亡させた者は、遺族(補償)給付を受けることができる遺族としないとされている。
なお、「重大な過失より死亡させた者」は含まれず、葬祭料又は葬祭給付についてはこの規定の対象になっていない。
よって、問題文は誤りとなる。

  

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