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トップページ > 過去問研究室(労災保険法)> 平成18年労災-第1問(通勤の定義) | ||||||
■社会保険労務士試験過去問研究室 | ||||||
次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (A)労働者が、就業に関し、住居と就業の場所との間を合理的な経路及び方法により往復すること(業務の性質を有するものを除く。)は、 通勤に該当する。 (B)労働者が、就業に関し、厚生労働省令で定める就業の場所への他の就業の場所から合理的な経路及び方法により移動すること(業務の性質を有するものを除く。)は、通勤に該当する。 (C)労働者が、就業に関し、住居と就業の場所との間の往復に先行し、又は後続する住居間の移動であって厚生労働省令で定める要件に該当するものを、合理的な経路及び方法により行うこと(業務の性質を有するものを除く。)は、通勤に該当する。 (D)通勤としての移動の経路を逸脱し、又は移動を中断した場合における逸脱又は中断の間及びその後の移動は、原則として通勤に該当しない。 (E)通勤としての移動の経路を逸脱し、又は移動を中断した場合でも、その逸脱又は中断が、日常生活上必要な行為であって厚生労働省令で定めるものをやむをえない事由により行うための最小限度のものであるときは、その逸脱又は中断の間を除き、その後の移動は、通勤に該当する。
(A)正解 法7条2項1号 労働者災害補償保険法における通勤とは、労働者が、就業に関し、次に掲げる移動を、合理的な経路及び方法により行うことをいい、業務の性質を有するものを除くものとすると定義されている。 1.住居と就業の場所との間の往復 2.厚生労働省令で定める就業の場所から他の就業の場所への移動 3.上記1に掲げる往復に先行し、又は後続する住居間の移動(厚生労働省令で定める要件に該当するものに限る。) よって、問題文は正解となる。 (参考) 通勤災害の範囲について(昭和48年11月22日基発第644号)
(B)誤り 法7条2項2号 労働者が、就業に関し、厚生労働省令で定める就業の場所から他の就業の場所への移動を、合理的な経路及び方法により行うことは「通勤」に該当する。(業務の性質を有するものを除く) ようするに、複数事業所で勤務する者の事業所間の移動が通勤として認められるためには、最初の就業場所が「厚生労働省令で定める就業の場所」である必要がある。 よって、「厚生労働省令で定める就業の場所への他の就業の場所からの移動」(就業の場所に関する記述が逆)とした問題文は誤りである。 なお、「厚生労働省令で定める就業の場所」とは、次のとおりである。(則6条) 1.適用事業所 2.暫定任意適用事業所 3.特別加入者に係る就業の場所等 (C)正解 法7条2項3号 住居と就業の場所との間の往復に先行し、又は後続する住居間の移動(厚生労働省令で定める要件に該当するものに限る。)についても通勤災害保護制度における通勤に含めることとされている。 問題文は正解である。 なお、「厚生労働省令で定める要件」としては、転任に伴い、当該転任の直前の住居と就業の場所との間を日々往復することが当該往復の距離等を考慮して困難となったため住居を移転した労働者であって、配偶者が、要介護状態にある労働者又は配偶者の父母又は同居の親族を介護する必要がある等のやむを得ない事情により、当該転任の直前の住居に居住している配偶者、子、父母、親族と別居することとなったものとされている。(則7条) (D)正解 法7条3項、昭和48年11月22日基発第644号 通勤の途中において、労働者が逸脱、中断をする場合には、その後は就業に関してする行為というよりも、むしろ、逸脱又は中断の目的に関してする行為と考えられるので、原則として、その後は一切通勤とは認められないとされている。 よって、問題文は正解である。 (E)正解 法7条3項、昭和48年11月22日基発第644号 通勤の途中において、労働者が逸脱、中断をした場合には、原則として、その後は一切通勤とは認められないが、これについては、通勤の実態を考慮して法律で例外が設けられ、通勤途中で日用品の購入その他日常生活上必要な行為をやむを得ない事由により最少限度の範囲で行う場合には、当該逸脱又は中断の間を除き、合理的な経路に復した後は通勤と認められることとされている。 よって、問題文は正解である。 |
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