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トップページ過去問研究室(労災保険法) 平成20年労災-第4問(特別加入者)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成20年労災-第4問(特別加入者)

次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)特別加入者に係る業務災害及び通勤災害については、労働者災害補償保険法施行規則に基づき厚生労働省労働基準局長が定める基準によって、その認定が行われる。

(B)特別加入者に係る休業補償給付は、業務上負傷し、又は疾病にかかり、その療養のため4日以上業務に従事することができない場合には、それによる所得喪失の有無にかかわらず、支給される。

(C)特別加入者に係る特別支給金制度の導入に当たっては、労働基準法上の災害補償責任に係る企業内の福利厚生制度に由来する経緯もあり、特別加入者に対する特別支給金の支給は、厚生労働省労働基準局長が定める特別の事由がある場合に限られる。

(D)特別加入者である中小事業主等の事故が特別加入保険料の滞納期間中に生じ、かつ、業務災害の原因である事故が当該中小事業主等の故意又は重大な過失によって生じたものである場合における保険給付の支給については、まず故意又は重大な過失に係る支給制限が行われ、さらに支給制限後の保険給付の残額について特別加入保険料の滞納に係る支給制限が行われる。

(E)海外派遣者について、派遣先の海外の事業が中小企業(常時所定の数以下の労働者を使用するものに限る。)に該当する場合には、その事業の代表者であっても、特別加入の対象となる。



■解説

(A)正解
法37条、則46条の26
特別加入者に係る業務災害及び通勤災害の認定は、厚生労働省労働基準局長が定める基準によって行うこととされている。
よって、問題文は正解となる。
なお、特別加入者の通勤災害の認定については、一般労働者の場合に準じて行われることになっている。

(B)正解
法34条1項、平成11年2月18日基発77号
特別加入者も労働者とみなされ、労災保険法の規定による一定の保険給付等を受けることができるが、休業補償給付については、所得喪失の有無にかかわらず、療養のため「業務遂行性が認められる範囲の業務又は作業について」全部労働不能であることがその支給事由となるとされている。
よって、問題文は正解となる。

(C)誤り
法29条、特別支給金支給規則3条から19条
特別支給金のうち一般の特別支給金(休業特別支給金、傷病特別支給金、障害特別支給金、遺族特別支給金)については、支給要件を満たした場合、特別加入者に対しても支給される。
よって、「厚生労働省労働基準局長が定める特別の事由がある場合に限られる。」とした問題文は誤りとなる。
なお、ボーナス特別支給金については特別加入者には支給されない。

(D)正解
法12条の2の2、法34条1項
特別加入者である中小事業主等の故意又は重大な過失により生じた事故と特別加入保険料の滞納期間中に生じた事故による支給制限の規定が重複して適用される場合は、まず故意又は重大な過失により生じた事故による支給制限を適用し、その残余の部分について特別加入保険料の滞納期間中に生じた事故による支給制限を適用することとされている。
よって、問題文は正解となる。

(E)正解
法36条1項、平成11年12月3日基発695号
派遣先の海外の事業が中小企業に該当する場合に限り、当該事業に従事する者であってその代表者(例えば、現地法人の社長)等、一般的には労働者としての正確を有しないと考えられるものについても特別加入することができるとされている。
よって、問題文は正解となる。
なお、特別加入の対象者が海外派遣される事業主等である場合には、派遣先の事業の規模について確認を行うことが必要になるが、この派遣先の事業の規模の判断については、海外の各国ごとに、かつ、企業を単位として判断することとし、その取扱いについては、国内における中小事業主等の特別加入の場合に準ずることとされている。

  

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