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トップページ過去問研究室(労災保険法) 平成24年労災-第1問(通勤の定義)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成24年労災-第1問(通勤の定義)

通勤災害とは、労働者の通勤による負傷、疾病、障害又は死亡をいうが、この通勤に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)寝過ごしにより就業場所に遅刻した場合は、通勤に該当することはない。

(B)運動部の練習に参加する目的で、午後の遅番の出勤者であるにもかかわらず、朝から住居を出る等、所定の就業開始時刻とかけ離れた時刻に会社に行く場合も、通勤に該当する。

(C)日々雇用される労働者が公共職業安定所等でその日の職業紹介を受けるために住居から公共職業安定所等まで行く行為は、通勤に該当しない。

(D)昼休みに自宅まで時間的に十分余裕をもって往復できる労働者が、午前中の業務を終了して帰り、午後の業務に就くために出勤する往復行為は、通勤に該当しない。

(E)業務の終了後、事業場施設内で、サークル活動をした後に帰宅する場合は、社会通念上就業と帰宅との直接的関連を失わせると認められるほど長時間となるような場合を除いても、通勤に該当することはない。



■解説

(A)誤り
法7条2項、平成18年3月31日基発0331042号
出勤(労災保険法第7条第2項第1号の住居から就業の場所への移動をいい、同項第2号の場合の第2の就業の場所への移動を含む。)の就業との関連性については、所定の就業日に所定の就業開始時刻を目途に住居を出て就業の場所へ向う場合は、寝すごしによる遅刻、あるいはラッシュを避けるための早出等、時刻的に若干の前後があっても就業との関連性があるとされている。
よって、「通勤に該当することはない」とした問題文は誤りとなる。

(B)誤り
法7条2項、平成18年3月31日基発0331042号
運動部の練習に参加する等の目的で、例えば、(1)午後の遅番の出勤者であるにもかかわらず、朝から住居を出る等、所定の就業開始時刻とかけ離れた時刻に会社に行く場合や(2)第2の就業場所にその所定の就業開始時刻と著しくかけ離れた時刻に出勤する場合には、当該行為は、むしろ当該業務以外の目的のために行われるものと考えられるので、就業との関連性はないと認められる。
よって、「通勤に該当する」とした問題文は誤りとなる。

(C)正解
法7条2項、平成18年3月31日基発0331042号
日々雇用される労働者については、継続して同一の事業に就業しているような場合は、就業することが確実であり、その際の出勤は、就業との関連性が認められるし、また公共職業安定所等でその日の紹介を受けた後に、紹介先へ向う場合で、その事業で就業することが見込まれるときも、就業との関連性を認めることができる。しかし、公共職業安定所等でその日の紹介を受けるために住居から公共職業安定所等まで行く行為は、未だ就職できるかどうか確実でない段階であり、職業紹介を受けるための行為であって、就業のための出勤行為であるとはいえない。
よって、問題文は正解となる。

(D)誤り
法7条2項、平成18年3月31日基発0331042号
通勤は1日について1回のみしか認められないものではないので、昼休み等就業の時間の間に相当の間隔があって帰宅するような場合には、昼休みについていえば、午前中の業務を終了して帰り、午後の業務に就くために出勤するものと考えられるので、その往復行為は就業との関連性を認められる。
よって、「通勤に該当しない」とした問題文は誤りとなる。

(E)誤り
法7条2項、平成18年3月31日基発0331042号
業務の終了後、事業場施設内で、囲碁、麻雀、サークル活動、労働組合の会合に出席をした後に帰宅するような場合には、社会通念上就業と帰宅との直接的関連を失わせると認められるほど長時間となるような場合を除き、就業との関連性を認めても差し支えないものとされている。
よって、「通勤に該当することはない」とした問題は誤りとなる。

  

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