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■平成26年労災-第7問(法令全般関係)

労災保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)特別加入制度において、個人貨物運送業者については通勤災害に関する保険給付は支給されない。

(B)特別加入制度において、家内労働者については通勤災害に関する保険給付は支給されない。

(C)国庫は、労災保険事業に要する費用の一部を補助することができる。

(D)労働者が業務に起因して負傷又は疾病を生じた場合に該当すると認められるためには、業務と負傷又は疾病との間に相当因果関係があることが必要である。

(E)船員法上の船員については労災保険法は適用されない。



■解説

(A)正解
法35条1項、則46条の17、則46条の22の2
自動車を使用して行う旅客又は貨物の運送の事業、漁船による水産動植物の採捕の事業、特定農作業従事者、指定農業機械作業従事者、危険有害作業を行う家内労働者等については、その住居とその就業場所との間の往復の実態が明確でないこと等から、通勤災害に関しては労災保険は適用しないものとされている。
よって、問題文は正解となる。

(B)正解
法35条1項、則46条の17、則46条の22の2
自動車を使用して行う旅客又は貨物の運送の事業、漁船による水産動植物の採捕の事業、特定農作業従事者、指定農業機械作業従事者、危険有害作業を行う家内労働者等については、その住居とその就業場所との間の往復の実態が明確でないこと等から、通勤災害に関しては労災保険は適用しないものとされている。
よって、問題文は正解となる。

(C)正解
法32条
国庫は、予算の範囲内において、労働者災害補償保険事業に要する費用の一部を補助することができることになっている。これは、保険給付の大幅年金化によって、労災保険の給付体系が労基法の補償体系とは独自に拡充された結果、労災保険は、労基法による個々の事業主の災害補償を直接に代行するものではなく、むしろ事業全体の拠出によって被災労働者とその遺族の保護をするために必要な給付を行う制度というにふさわしいものとなったことから、国としては、事業主全体の負担を考慮し、いわば政策的配慮として、国庫補助を行うことができることとされたものである。
よって、問題文は正解となる。

(D)正解
法7条1項
業務上の事由による労働者の傷病等とは、業務が原因となった傷病等ということであり、業務と傷病等の間に一定の因果関係が存在する場合である。このような業務と傷病等の間の因果関係を、実務上「業務起因性」と呼んでいる。
そして、労災保険の保険給付は、労災保険の適用を受けている事業の労働者に対して行われるものであることから、業務起因性が認められ業務上の傷病等であるとされるためには、まず、労働者がそのような適用事業に雇われて働いていること、労働関係にあることが必要である。すなわち、当該傷病等が業務に起因して生じた業務上の傷病等であるためには、その原因が当該労働関係のもとにあることを条件として発生したことを要する。この「労働者が労働関係のもとにあること」、すなわち「労働者が労働契約に基づいて事業主の支配下にある状態」を実務上「業務遂行性」と呼んでいる。
つまり、業務上の傷病等と認められるためには、その傷病等に業務起因性が成立しなければならないが、業務起因性が成立するためには、その第一次的な条件として業務遂行性が認められなければならないということである。それは、業務遂行性がなければ業務起因性も成立しないということであって、業務遂行性があっても当然には業務起因性があるということにはならないということである。
よって、問題文は正解となる。

(E)誤り
法3条
船員法上の船員も適用除外とはなっておらず、労災保険法の適用を受ける。
よって「労災保険法は適用されない。」とした問題文は誤りとなる。

  

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