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■平成27年労災-第6問(労災保険法の保険給付等)

労災保険法の保険給付等に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。

(ア)労災保険給付として支給を受けた金品を標準として租税その他の公課を課することはできない。

(イ)労災保険給付を受ける権利は、労働者の退職によって変更されることはない。

(ウ)不正の手段により労災保険に係る保険給付を受けた者があるときは、政府は、その保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部をその者から徴収することができる。

(エ)休業特別支給金の支給の申請は、その対象となる日の翌日から起算して2年以内に行わなければならない。

(オ)障害補償給付、遺族補償給付、介護補償給付、障害給付、遺族給付及び介護給付を受ける権利は、5年を経過したときは、時効によって消滅する。


(A)一つ

(B)二つ

(C)三つ

(D)四つ

(E)五つ

■解説

(ア)正解
法12条の6
保険給付として支給を受けた金品(現金給付並びに現物給付)は、労働災害により、労働者、遺族等の被った損失をてん補し、その保護を図るために必要なものであるから、税法上にいう、いわゆる所得とはその性質を異にしており、国税たると地方税たるとを問わず、これを標準としては、租税を課せられないこととしている。
よって、問題文は正解となる。
なお、特別支給金についても、税法上所定の非課税所得として取り扱われている。(昭和50年2月28日国税庁直税部審理課長より労災管理課長あて回答)

(イ)正解
法12条の5第1項
保険給付を受ける権利は、労働者の退職によって変更されることはない。
よって、問題文は正解となる。

(ウ)正解
法12条の3第1項
偽りその他不正の手段により保険給付を受けた者があるときは、政府は、その保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部をその者から徴収することができる。
よって、問題文は正解となる。
なお、徴収することができるのは、保険給付を受けた者が受けた給付のうち、偽りその他不正の手段により給付を受けた部分、つまり、不当利得分に相当する価額に限られている。(昭和40年7月31日基発906号)

(エ)正解
労災別支給金支給規則3条6項
休業特別支給金の支給の申請は、休業特別支給金の支給の対象となる日の翌日から起算して2年以内に行わなければならないことになっている。
よって、問題文は正解となる。
なお、休業特別支給金の支給の対象となる日について休業補償給付又は休業給付を受けることができる者は、当該休業特別支給金の支給の申請を、当該休業補償給付又は休業給付の請求と同時に行なうこととされている。

(オ)誤り
法42条
療養補償給付、休業補償給付、葬祭料、介護補償給付、療養給付、休業給付、葬祭給付、介護給付及び二次健康診断等給付を受ける権利は、2年を経過したとき、障害補償給付、遺族補償給付、障害給付及び遺族給付を受ける権利は、5年を経過したときは、時効によって消滅することになっている。
よって、「介護補償給付及び介護給付」の時効を5年とした問題文は誤りとなる。

(参考)
時効期間と消滅時効のまとめ
保険給付 起算日 時効期間
療養(補償)給付
(療養の費用の支給)
療養の費用を支払った日の翌日 2年
休業(補償)給付 休業の日ごとにその翌日 2年
障害(補償)年金前払一時金 傷病が治った日の翌日 2年
遺族(補償)年金前払一時金 労働者が死亡した日の翌日 2年
葬祭料(葬祭給付) 労働者が死亡した日の翌日 2年
介護(補償)給付 介護を受けた月の翌月の初日 2年
二次健康診断等給付 労働者が一次健診の結果を了知し得る日の翌日 2年
障害(補償)年金 傷病が治った日の翌日 5年
障害(補償)一時金 傷病が治った日の翌日 5年
障害(補償)年金差額一時金 労働者が死亡した日の翌日 5年
遺族(補償)年金 労働者が死亡した日の翌日 5年
遺族(補償)一時金 労働者が死亡した日の翌日 5年

※正解は、(ア)(イ)(ウ)(エ)であるため、(D)が正解となる。

  

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