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トップページ過去問研究室(労災保険法) 平成28年労災-第4問(労災保険給付)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成28年労災-第4問(労災保険給付)

労災保険給付に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)被災労働者が、災害現場で医師の治療を受けず医療機関への搬送中に死亡した場合、死亡に至るまでに要した搬送費用は、療養のためのものと認められるので移送費として支給される。

(B)労働者が遠隔地において死亡した場合の火葬料及び遺骨の移送に必要な費用は、療養補償費の範囲には属さない。

(C)業務災害の発生直後、救急患者を災害現場から労災病院に移送する場合、社会通念上妥当と認められる場合であれば移送に要した費用全額が支給される。

(D)死体のアルコールによる払拭のような本来葬儀屋が行うべき処置であっても、医師が代行した場合は療養補償費の範囲に属する。

(E)医師が直接の指導を行わない温泉療養については、療養補償費は支給されない。



■解説

(A)正解
法13条、昭和30年7月13日基収841号
業務上死亡した労働者の死体又は遺骨を遺族に送り届けるための費用は、療養のための搬送とは解されないので移送の費用とは認められないが、災害現場で医師の治療を受けずに医療機関への搬送中に死亡した場合、死亡に至るまでに要した搬送費用は移送費として支給されることとされている。
よって、問題文は正解となる。

(B)正解
法13条、昭和24年7月22日基収2303号
遠隔地において死亡した場合の火葬料及び遺骨の移送に必要な費用は、療養補償費の範囲に属さないこととされている。
よって、問題文は正解となる。

(C)正解
法13条、昭和31年4月27日基収1058号、昭和31年9月22日基収1058号
業務災害の発生直後に重症患者を災害現場から労災病院に病院備え付けの救急車をもって移送した場合、労働基準監督署長の承認の下に特に労災病院に転院のため救急車をもって収容する場合は移送の範囲に含まれることとされている。また、病院の自家用車を用いた場合でも、請求額が社会通念上妥当と認められる場合は全額が支払われることとされている。
よって、問題文は正解となる。

(D)誤り
法13条、昭和23年7月10日基災97号
死後の診断又は医師の判断により死体に施した適宜の処置は療養の範囲に属するが、本来葬儀屋が行うべき処置(死体のアルコール清拭、口腔等への脱脂綿充填等)は医師が代行した場合は葬祭料の範囲に属することとされている。
よって、「療養補償費の範囲に属する。」とした問題文は誤りとなる。

(E)正解
法13条、昭和25年10月6日基発916号
医師が直接の指導を行わない温泉療養については療養補償費支給されないことになっている。
よって、問題文は正解となる。
なお、病院等の付属施設で医師が直接指導のものにおいて行うものについては支給対象となる。

  

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