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トップページ > 過去問研究室(労災保険法)> 平成30年労災-第3問(法令全般関係) | |||||
■社会保険労務士試験過去問研究室 | |||||
労災保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (A)市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法第252条の10第1項の指定都市においては、区長又は総合区長とする。)は、行政庁又は保険給付を受けようとする者に対して、当該市(特別区を含む。)町村の条例で定めるところにより、保険給付を受けようとする者又は遺族の戸籍に関し、無料で証明を行うことができる。 (B)行政庁は、厚生労働省令で定めるところにより、保険関係が成立している事業に使用される労働者(労災保険法第34条第1項第1号、第35条第1項第3号又は第36条第1項第1号の規定により当該事業に使用される労働者とみなされる者を含む。)又は保険給付を受け、若しくは受けようとする者に対して、労災保険法の施行に関し必要な報告、届出、文書その他の物件の提出又は出頭を命ずることができる。 (C)行政庁は、厚生労働省令で定めるところにより、労働者派遣法第44条第1項に規定する派遣先の事業主に対して、労災保険法の施行に関し必要な報告、文書の提出又は出頭を命ずることができる。 (D)行政庁は、労災保険法の施行に必要な限度において、当該職員に、適用事業の事業場に立ち入り、関係者に質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができ、立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。 (E)行政庁は、保険給付を受け、又は受けようとする者(遺族補償年金又は遺族年金の額の算定の基礎となる者を含む。)の診療を担当した医師その他の者に対して、その行った診療に関する事項について、報告を命ずることはできない。
(A)正解 法45条 労災保険給付の円滑な実施と受給者の便益のため、労災保険給付の請求の際に用いる戸籍に関する証明は、地方公共団体の制定する条例によって無料とすることができることになっている。無料にするか否かを条例に委ねているのは、戸籍に関する証明事務は地方公共団体の固有事務であるからである。 よって、問題文は正解となる。 なお、無料で証明を求めることができる事項は、戸籍又は除かれた戸籍に記載された特定の事項であって、この証明は、本籍地の市町村が労働者の戸籍事項について、戸籍法施行規則により作成するものであるから、戸籍謄本、抄本等を含まないことはもちろん、戸籍記載事項の証明でも本法に関し必要な事項に限られることとされている。(昭和22年9月13日発基17号) (B)正解 法47条 本条は、労災保険事業の適正な運営を確保するため労働者(特別加入者を含む。)及び保険給付受給者等に対しても、報告、届出、文書その他の物件の提出又は出頭を命ずる権限を行政庁に付与する権限を規定したものである。 よって、問題文は正解となる。 なお、この命令に違反した場合は、罰則の適用がある。(6月以下の懲役又は20万円以下の罰金。)また、保険給付を受ける権利を有する者が正当な理由がないのに命令に従わない場合には、法47条の3の規定により、保険給付が一時差止められることがある。 (C)正解 法46条 本条は、労災保険事業の適正な運営を確保するため、労働者を使用する者、労働保険事務組合、一人親方等又は特定作業従事者等にかかる特別加入者の団体、派遣先の事業主又は船員派遣の役務の提供を受ける者に対して報告、文章の提出又は出頭を命ずる権限を行政庁に付与することを規定したものである。 よって、問題文は正解となる。 (D)正解 法48条 本条は、行政庁が職員を派遣して立入り、質問又は検査をすることができる権限を規定したものである。 政府が適正に保険給付を行うためには、基礎資料を調査し実態を把握することが必要であり、そのためにはこのような行政上の強制権が必要であるので、立入り、質問、検査の権限を行政庁に付与したものである。職員が立入検査をするにはその身分を証明する証明書を携帯しなければならない。 よって、問題文は正解となる。 (E)誤り 法49条1項 行政庁は、保険給付に関して必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところによって、保険給付を受け、又は受けようとする者(遺族補償年金又は遺族年金の額の算定の基礎となる者を含む。)の診療を担当した医師その他の者に対して、その行った診療に関する事項について、報告若しくは診療録、帳簿書類その他の物件の提示を命じ、又は当該職員に、これらの物件を検査させることができることになっている。 よって、「報告を命ずることはできない。」とした問題文は誤りとなる。 |
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