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トップページ過去問研究室(労災保険法) 平成30年労災-第5問(休業補償給付)
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■平成30年労災-第5問(休業補償給付)

休業補償給付に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)休業補償給付は、業務上の傷病による療養のため労働できないために賃金を受けない日の4日目から支給されるが、休業の初日から第3日目までの期間は、事業主が労働基準法第76条に基づく休業補償を行わなければならない。

(B)業務上の傷病により、所定労働時間の全部労働不能で半年間休業している労働者に対して、事業主が休業中に平均賃金の6割以上の金額を支払っている場合には、休業補償給付は支給されない。

(C)休業補償給付と傷病補償年金は、併給されることはない。

(D)会社の所定休日においては、労働契約上賃金請求権が生じないので、業務上の傷病による療養中であっても、当該所定休日分の休業補償給付は支給されない。

(E)業務上の傷病により、所定労働時間の一部分についてのみ労働する日の休業補償給付の額は、療養開始後1年6か月未満の場合には、休業給付基礎日額から当該労働に対して支払われる賃金の額を控除して得た額の100分の60に相当する額である。



■解説

(A)正解
法14条1項、労基法76条、労基法84条1項、昭和40年7月31日基発901号
休業の初日から第3日目までは休業補償給付は支給されない。休業最初の3日間は、労基法84条1項に規定する「労働者災害補償保険法又は厚生労働省令で指定する法令に基づいてこの法律の災害補償に相当する給付が行なわれるべきものである場合」に該当しないから、事業主は自ら労基法76条に規定する休業補償を行う必要がある。
よって、問題文は正解となる。

(B)正解
法14条1項、昭和40年9月15日基災発14号
事業主が休業期間中に、平均賃金の60%以上の金額を支払っている場合には、休業補償給付は支給されないことになっている。
よって、問題文は正解となる。

(C)正解
法18条2項
傷病補償年金を受けることとなった者(傷病補償年金の支給決定を受けた者に限らず、傷病補償年金の支給要件を満たすことになった者をいう。)については休業補償給付の支給要件を満たす場合であっても、休業補償給付は支給しないこととされている。
よって、問題文は正解となる。
しかしながら、年金の支給は支給事由の生じた月の翌月から始め、支給を受ける権利が消滅した月で終わるので、傷病補償年金の支給事由が生じた場合には、その支給事由の生じた月の末日まで引き続き休業補償給付は行われることになる。

(D)誤り
法14条1項
会社の所定休日であっても、休業補償給付の支給要件を満たしている場合は支給される。
よって、問題文は誤りとなる。

(E)正解
法14条1項
所定労働時間のうちその一部分についてのみ労働する日に係る休業補償給付の額は、給付基礎日額から当該労働に対して支払われる賃金の額を控除して得た額の100分の60に相当する額とされている。
なお、給付基礎日額から実際に労働した部分の賃金を差し引く場合であって、療養開始後1年6か月を経過した者の給付基礎日額については、年齢階層別の最高限度額を適用しない給付基礎日額から当該労働に対して支払われる賃金の額を控除して得た額(控除して得た額が年齢階層別の最高限度額を超える場合は、最高限度額に相当する額)の100分の60 に相当する額となる。
よって、問題文は正解となる。

  

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