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トップページ過去問研究室(雇用保険法) 平成14年雇用-第4問(基本手当の日額)
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■平成14年雇用-第4問(基本手当の日額)

基本手当の日額の算定に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)基本手当の日額は、原則として、その者について算定された賃金日額に、100分の80から100分の60までの範囲で定められた率を乗じて得た金額であるが、受給資格に係る離職の日に60歳以上65歳未満の者については、上記の範囲は100分の80からl00分の50までに拡大される。

(B)賃金日額は、原則として、被保険者期間として計算された最後の3か月間に支払われた賃金の総額(臨時に支払われる賃金及び3か月を超える期間ごとに支払われる賃金は除く。)を、その期間の総日数で除して得た金額である。

(C)賃金日額については上限と下限が定められており、下限額は年齢にかかわらず一律であるが、上限額は年齢区分によって異なり、受給資格に係る離職の日に45歳以上60歳未満の者が最も高くなっている。

(D)基本手当の日額の計算に当たり10円未満の端数が生じた場合には、四捨五入をして10円単位で額を算定する。

(E)受給資格者が失業の認定を受けた期間中に内職など自己の労働によって収入を得た場合、当該日の基本手当の日額は、本来の金額からその収入の1日分の100分の80を控除した額となる。



■解説

(A)誤り
法16条
基本手当の日額は、原則として、その者について算定された賃金日額に100分の80から100分の50までの範囲で定められた率を乗じて得た金額とされている。
なお、離職の日において60歳以上65歳未満である受給資格者の基本手当の日額については、賃金日額に100分の80から100分の45までの範囲で定められた率を乗じて得た金額とされている。
よって、離職日に60歳未満である受給資格者の基本手当の日額について「100分の80から100分の60」とし、また、離職日に60歳以上65未満である受給資格者の基本手当の日額について「100分の80からl00分の50」とした問題文は誤りである。

(B)誤り
法17条1項
賃金日額は、原則として、被保険者期間として計算された最後の6か月間に支払われた賃金の総額(臨時に支払われる賃金及び3か月を超える期間ごとに支払われる賃金は除く。)を、180で除して得た金額である。
よって、「最後の3か月間に支払われた賃金の総額」、「その期間の総日数で除して得た金額」とした問題文は誤りとなる。
なお、短時間労働被保険者であったために2分の1か月として計算された被保険者期間については、実際の期間である1か月として計算されることになっている。

(C)正解
法17条4項、平成18年7月4日厚労省告示第312号
賃金日額には下限額と上限額が設けられている。
下限額は年齢にかかわらず共通した額とされているが、上限額は年齢区分により異なっており、離職日に45歳以上60歳未満の者が最も高くなっている。
(参考)
平成18年8月1日以後の賃金日額の下限額及び上限額
離職日の年齢 上限額
60歳以上65歳未満 15,130円
45歳以上60歳未満 15,620円
30歳以上45歳未満 14,200円
30歳未満 12,790円
下限額については、年齢にかかわらず2,080円

(D)誤り
国等の債権債務等の金額の端数計算に関する法律第2条
基本手当の日額は、1円単位で計算され、1円未満の端数は切り捨てされることになっている。
よって、「10円未満の端数を四捨五入し10円単位で計算する」とした問題文は誤りである。

(E)誤り
法19条1項
受給資格者が、失業の認定に係る期間中に自己の労働によって収入を得たときは、その収入の基礎となった日数分の基本手当は次のように計算され、全額支給、減額支給、不支給のいずれかとなる。
1.全額支給
「収入の1日分に相当する額−控除額+基本手当日額」が賃金日額の100分の80以下である場合は、基本手当を全額支給
2.減額支給
「収入の1日分に相当する額−控除額+基本手当日額」が賃金日額の100分の80を超える場合(不支給になる場合を除く)は、賃金日額の100分の80を超える額だけ基本手当日額を減額して支給(「収入の1日分に相当する額−控除額+基本手当日額」が賃金日額の100分の80と同額になるように基本手当を減額して支給)
3.不支給
「(収入の1日分に相当する額−控除額+基本手当日額)−(賃金日額×100分の80)」が基本手当日額以上である場合は、基本手当は不支給となる。
よって、「本来の金額からその収入の1日分の100分の80を控除した額」とした問題文は誤りである。

  

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