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トップページ過去問研究室(雇用保険法) 平成16年雇用-第2問(基本手当の受給要件)
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■平成16年雇用-第2問(基本手当の受給要件)

基本手当の受給要件に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)離職の日以前の2年間に、傷病により引き続き30日以上賃金の支払を受けることができなかった者については、2年間にその日数を加算したものが算定対象期間となるが、その上限は、業務上以外の傷病については3年間、 業務上の傷病については4年間である。(一部改正)

(B)短時間労働被保険者以外の被保険者が離職した場合は、算定対象期間に被保険者期間が通算して6か月以上なければ基本手当を受給できないが、短時間労働被保険者が離職した場合については、被保険者期間が通算して4か月以上あれば基本手当の受給資格が認められる。(参考問題)

(C)短時間労働被保険者以外の被保険者として6か月以上フルタイムで雇用されてきた者が、引き続き同一事業主の下で短時間労働被保険者として3か月雇用された後に離職した場合、被保険者区分の変更があった日の前日に離職したものとみなされ、その日を基準日として基本手当を受給することができる。(参考問題)

(D)離職の日の翌日から起算して1年の期間に、妊娠、出産により30日以上引き続き職業に就くことができない場合、受給資格者の申出に基づいて基本手当の受給期間の延長が認められるが、育児のため30日以上引き続き職業に就くことができない場合には、受給期間の延長は認められない。

(E)基本手当は、受給資格者が受給資格に係る離職後最初に公共職業安定所に求職の申込みをした日以後において、失業している日が7日に満たない間は支給されないが、その間に受給資格者が疾病又は負傷のため職業に就くことができない場合には、その期間が最長で14日まで延長される。



■解説

(A)誤り
法13条1項
離職の日以前の2年間(特定理由離職者及び特定受給資格者については1年間)に、傷病により引き続き30日以上賃金の支払を受けることができなかった者については、その賃金の支払いを受けることができなかった日数を2年(特定理由離職者及び特定受給資格者については1年)に加算した期間(その期間が4年を超えるときは、4年間)が算定対象期間となる。
そして、この算定対象期間は業務上外の傷病であるかどうかに関係なく最長4年である。
よって、「その上限は、業務上以外の傷病については3年間、 業務上の傷病については4年間である」とした問題文は誤りとなる。

(B)誤りであった
法改正により平成19年10月1日より、短時間労働被保険者、短時間労働被保険者以外の被保険者という被保険者区分の規定が廃止されたため参考問題とする。
なお、法改正前の規定では、算定対象期間に被保険者期間が通算して6か月以上ある場合でなければ基本手当は受給することはできなかったが、この規定は、短時間労働被保険者、短時間労働被保険者以外の被保険者を問わず共通の規定であったため、「短時間労働被保険者が離職した場合については、被保険者期間が通算して4か月以上あれば基本手当の受給資格が認められる」とした問題文は誤りであった。

(C)正解であった
法改正により平成19年10月1日より、短時間労働被保険者、短時間労働被保険者以外の被保険者という被保険者区分の規定が廃止され、みなし離職の規定も廃止されたため参考問題とする。
なお、法改正前の規定では、被保険者が同一の事業主の適用事業に引き続き雇用されている期間に、被保険者の区分変更があった場合は、被保険者は区分変更があった日の前日に離職したものとみなされ、(みなし離職日)その日に基本手当の受給資格要件を満たしている場合は、受給資格を取得することとされており、実際の離職日において、区分変更後の期間だけで受給資格が取得できない場合は、みなし離職日における受給資格に基づき基本手当が支給されることになっていた。(区分変更後の期間のみで受給資格が取得できる場合は、みなし離職の規定は適用されなかった。)
よって、問題文の場合は、6か月以上フルタイムで雇用されていたために、みなし離職日において受給資格の要件を満たし、区分変更後の期間は3か月しかなく、受給資格を取得することができないため、みなし離職日における受給資格に基づき基本手当が支給されることになるため正解の肢であった。

(D)誤り
法20条1項
基本手当の受給期間は、原則として、離職日(基準日)の翌日から起算して1年とされているが、その期間内に妊娠、出産、育児その他厚生労働省令で定める理由により、引き続き30日以上職業に就くことができない者が、公共職業安定所長に申し出たときは、その職業に就くとができない日数を延長することが認められている。(原則の期間と合せて4年が限度)
よって、「育児のため30日以上引き続き職業に就くことができない場合には、受給期間の延長は認められない」とした問題文は誤りである。
なお、その他厚生労働省令で定める理由とは、疾病又は負傷(傷病手当の支給を受ける場合における疾病又は負傷を除く)及び管轄公共職業安定所の長がやむを得ないと認めるものとされている。

(E)誤り
法21条
基本手当は、受給資格者が当該基本手当の受給資格に係る離職後最初に公共職業安定所に求職の申込みをした日以後において、失業している日が通算して7日に満たない間は、支給されない。
なお、失業している日には、疾病又は負傷のため職業に就くことができない日を含むことになっており、待期が延長されることはない。
よって、「その期間が最長で14日まで延長される」とした問題文は誤りとなる。

  

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