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トップページ過去問研究室(雇用保険法) 平成17年雇用-第1問(雇用保険の被保険者)
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■平成17年雇用-第1問(雇用保険の被保険者)

雇用保険の被保険者に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)株式会社の取締役は、同時に会社の従業員としての身分を有している場合であっても、役員報酬を支払われている限り委任関係とみなされ、被保険者となることはない。

(B)船員保険法第1条に規定する船員(予備船員とみなされる者を含む。)であって、漁船(政令で定めるものに限る。)に乗り組むため雇用される者(1年を通じて船員として適用事業に雇用される場合を除く。)は、原則として雇用保険の被保険者から除外されるが、その者が厚生労働省令の定めるところにより公共職業安定所長の認可を受けた場合には、船員保険の被保険者たる地位を停止して雇用保険の被保険者となることができる。(一部改正)

(C)季節的に雇用される者であって、4箇月以内の期間を定めて雇用される者は、原則として被保険者とならないが、その期間の満了後も同一の事業主に引き続き雇用された場合には、当初の季節的事業における雇用開始の日に被保険者になったものとみなされる。(一部改正)

(D)家事使用人は被保険者とならないが、適用事業の事業主に雇用され、主として家事以外の労働に従事することを本務とする者は、例外的に家事に使用されることがあっても、被保険者となる。

(E)特定独立行政法人の職員は、当該法人の長が雇用保険法を適用しないことについて厚生労働大臣に申請し、その承認を受けない限り、被保険者となる。



■解説

(A)誤り
法4条1項、行政手引20358
株式会社の取締役は原則として被保険者とならない。
しかし、取締役であって、同時に会社の部長、支店長、工場長等従業員としての身分を有する者は、報酬支払等の面からみて労働者的性格の強いものであって、雇用関係があると認められるものに限り被保険者となる。
よって、「株式会社の取締役について被保険者となることはない」とした問題文は誤りである。
なお、被保険者となった株式会社の取締役が失業した場合における失業給付の算定の基礎となる賃金には、取締役としての地位に基づいて受ける役員報酬は含まれないとされている。

(B)誤り
法6条6号
船員保険法第1条に規定する船員(予備船員とみなされる者を含む。)であって、漁船(政令で定めるものに限る。)に乗り組むため雇用される者(1年を通じて船員として適用事業に雇用される場合を除く。)は、雇用保険の適用除外となっている。(例外なし)
よって、「公共職業安定所長の認可を受けた場合には、船員保険の被保険者たる地位を停止して雇用保険の被保険者となることができる」とした問題文は誤りである。

(C)誤り
法6条4号、行政手引20303、行政手引20555
季節的に雇用される者であって、(1)4箇月以内の期間を定めて雇用される者、(2)1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満である者のいずれかに該当するものについては、雇用保険の適用除外となっている。(日雇労働被保険者に該当する者は除く)
しかし、所定の期間を超えて引き続き同一の事業主に雇用されるようになった場合には、所定の雇用契約期間を超えた日から被保険者となる。
よって、「当初の季節的事業における雇用開始の日に被保険者になったものとみなされる」とした問題文は誤りとなる。

(D)正解
法4条1項、行政手引20365
家事使用人は被保険者とならないが、適用事業の事業主に雇用され、主として家事以外の労働に従事することを本務とし、例外的に家事に従事する場合は被保険者となる。
しかし、主として家事に従事し、例外的に家事以外の労働に従事する場合については被保険者とならないので注意すること。

(E)誤り
法6条7号、則4条1項1号
国、特定独立行政法人の事業に雇用される者は、雇用保険の適用除外とされている。(非常勤の国の職員で、国家公務員退職手当法で職員とみなされない者は除く)また、適用除外の承認手続きも必要ない。
よって、「承認を受けない限り、被保険者となる」とした問題文は誤りである。

(参考)
1.都道府県等の事業に雇用される者については、都道府県知事等の申請により厚生労働大臣の承認を受けることにより雇用保険の適用除外となる。(則4条1項2号)
2.市町村等事業に雇用される者については、市町村長等の申請により都道府県労働局長の承認を受けることにより雇用保険の適用除外となる。(則4条1項3号)
なお、適用除外の申請がなされた日から雇用保険の適用除外となり、承認されなかった場合は、申請日に遡って雇用保険の被保険者となる。(則4条2項)

  

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