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■平成22年雇用-第3問(基本手当の延長給付)

基本手当の延長給付に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、本問において、「個別延長給付」とは雇用保険法附則第5条に規定する給付日数の延長に関する暫定措置に係る給付のことをいう。

(A)訓練延長給付は、受給資格者が公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等(その期間が2年を超えるものを除く。)を実際に受けている期間内の失業している日について、所定給付日数を超えて基本手当の支給を行うものであり、受給資格者が上記のような公共職業訓練等を受けるために待期している期間は、訓練延長給付の対象外である。

(B)個別延長給付の日数は原則として60日であるが、基準日に30歳未満である受給資格者については30日となる。

(C)広域延長給付及び全国延長給付における延長の限度は、いずれも90日である。

(D)基準日において45歳未満である受給資格者が個別延長給付を受けるためには、厚生労働省令で定める基準に照らして雇用機会が不足していると認められる地域として厚生労働大臣が指定する地域内に居住していることが必要である。

(E)個別延長給付の適用を受けることのできる受給資格者であっても、同時に訓練延長給付の対象となる場合には、まず訓練延長給付が行われ、それが終わった後でなければ、個別延長給付は行われない。



■解説

(A)誤り
法24条1項
受給資格者が公共職業安定所長の指示により公共職業訓練等を受講する場合には、所定給付日数分の基本手当の支給終了後もなお公共職業訓練等を受けるために待期している期間、公共職業訓練等を受講している期間、公共職業訓練等の受講を終了してもなお、就職が相当程度に困難である場合には、受講終了後の一定期間基本手当が支給される。また、訓練等を受講している期間中に受給期間が終了するときは、訓練等が終了する日まで受給期間が延長される。このような制度を設け、所定給付日数終了後における訓練受講中の生活を保障しているのは、受給資格者の公共職業訓練等の受講を容易にし、技能を付与することにより、積極的に再就職の促進を図ろうとするためである。
よって、「公共職業訓練等を受けるために待期している期間は、訓練延長給付の対象外である」とした問題分は誤りとなる。
なお、公共職業訓練等を受けるために待期している者に対しては、待期している期間のうちの当該公共職業訓練等を受け始める日の前日までの引き続く90日間の失業している日について、所定給付日数を超えて基本手当を支給することができることになっている。

(B)誤り
法附則5条2項
個別延長給付の日数は原則として60日であるが、算定基礎期間が20年以上あり、かつ、所定給付日数が270日又は330日である場合は30日とされている。
よって、「基準日に30歳未満である受給資格者については30日」とした問題文は誤りとなる。

(C)正解
法25条、法27条、令6条3項、令7条2項
広域延長給付及び全国延長給付における延長の限度は90日と定められている。
よって、問題文は正解となる。
なお、受給資格者が広域延長給付及び全国延長給付に係る基本手当の支給を受ける場合には、その者の受給期間も90日延長される。

(D)誤り
法附則5条1項
個別延長給付は次の(1)又は(2)いずれかに該当する者であって、公共職業安定所長が厚生労働省令で定める基準に照らして就職が困難な者であると認めたものに行うことができる。
(1)基準日において45歳未満の者
(2)厚生労働省令で定める基準に照らして雇用機会が不足していると認められる地域として厚生労働大臣が指定する地域に居住する者
その他、公共職業安定所長が厚生労働省令で定める基準に照らして当該受給資格者の知識、技能、職業経験その他の実情を勘案して再就職のための支援を計画的に行う必要があると認めた者にも個別延長給付を行うことができる。
よって、個別延長給付を受けるにあたり、基準日において45歳未満の者は、厚生労働大臣が指定する地域内に居住することは要件でないため問題文は誤りとなる。

(E)誤り
法28条、法附則5条4項
給付日数の延長においては、同一人が2以上の給付日数の延長対象となることがあるので、調整されることとされている。
具体的には、個別延長給付、広域延長給付、全国延長給付、訓練延長給付の順に優先度が高いものとされ、同時に2以上の延長給付の対象となる場合は、優先度の高いものから行い、優先度の低い延長給付を行っている途中で、優先度の高い延長給付の対象となった場合には、優先度の低い延長給付を中断して優先度の高い延長給付を行うこととされている。
よって、「まず訓練延長給付が行われ、それが終わった後でなければ、個別延長給付は行われない」とした問題文は誤りとなる。

  

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