社会保険労務士試験に楽に合格する方法論を研究するサイト
社会保険労務士試験情報局
トップページ過去問研究室(雇用保険法) 平成29年雇用-第2問(基本手当)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成29年雇用-第2問(基本手当)

一般被保険者の基本手当に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)失業の認定は、雇用保険法第21条に定める待期の期間には行われない。

(B)雇用保険法第22条に定める算定基礎期間には、介護休業給付金の支給に係る休業の期間が含まれない。

(C)離職の日以前2年間に、疾病により賃金を受けずに15日欠勤し、復職後20日で再び同一の理由で賃金を受けずに80日欠勤した後に離職した場合、受給資格に係る離職理由が特定理由離職者又は特定受給資格者に係るものに該当しないとき、算定対象期間は2年間に95日を加えた期間となる。

(D)公共職業安定所長は、勾留が不当でなかったことが裁判上明らかとなった場合であっても、これを理由として受給期間の延長を認めることができる。

(E)一般被保険者が離職の日以前1か月において、報酬を受けて8日労働し、14日の年次有給休暇を取得した場合、賃金の支払の基礎となった日数が11日に満たないので、当該離職の日以前1か月は被保険者期間として算入されない。



■解説

(A)誤り
行政手引51102
公共職業安定所における失業(傷病のため職業に就くことができない場合を含む。)の認定があって初めて失業の日又は疾病若しくは負傷のため職業に就くことができない日として認められるものであるから、失業(傷病のため職業に就くことができない場合を含む。)の認定は待期の7日についても行われなければならないこととされている。
よって、「待期の期間には行われない。」とした問題文は誤りとなる。

(B)誤り
法22条3項、行政手引50302
算定基礎期間は、受給資格者が受給資格に係る離職の日まで引き続いて同一の事業主の適用事業に被保険者として雇用された期間(当該雇用された期間に係る被保険者となった日前に被保険者であったことがある者については、当該雇用された期間と当該被保険者であった期間を通算した期間)から次に掲げる期間を除いて算定した期間とされている。
1.当該雇用された期間又は当該被保険者であった期間に係る被保険者となった日の直前の被保険者でなくなった日が当該被保険者となった日前1年の期間内にないときは、当該直前の被保険者でなくなった日前の被保険者であった期間
2.当該雇用された期間に係る被保険者となった日前に基本手当又は特例一時金の支給を受けたことがある者については、これらの給付の受給資格又は特例受給資格に係る離職の日以前の被保険者であった期間
3.当該雇用された期間又は当該被保険者であった期間に雇用継続交流採用職員であった期間があるときは、当該雇用継続交流採用職員であった期間
4.当該雇用された期間又は当該被保険者であった期間に育児休業給付金の支給を受けた期間がある場合はその期間
なお、算定に当たって各被保険者であった期間を加算する場合には、暦年、暦月及び暦日のそれぞれごとに加算し、暦月の 12月をもって1年、暦日の30日をもって1月とする。
よって、介護休業給付金の支給に係る休業期間は、算定基礎期間に含まれることとなるため、問題文は誤りとなる。

(C)正解
法13条1項、行政手引50153
被保険者期間の算定対象期間は、原則として、離職の日以前2年間(受給資格に係る離職理由が特定理由離職者又は特定受給資格者に該当する場合は2年間又は1年間)であるが、当該期間に疾病、負傷その他一定の理由により引き続き30日以上賃金の支払を受けることができなかった被保険者については、当該理由により賃金の支払を受けることができなかった日数を原則算定対象期間に加算した期間(最大限4年間)について被保険者期間を計算することとされている。
この賃金の支払を受けることができなかった日数は、30日以上継続することを要し、断続があってはならないこととされているが、例外として、当該中断した期間が途中で中断した場合であって、以下のいずれにも該当する場合は、これらの期間の日数をすべて加算することができることになっている。
1.賃金の支払を受けることができなかった各期間の理由が同一のものと判断できること。
2.同一の理由により賃金の支払を受けることができなかった期間と途中で中断した場合の中断した期間との間が30日未満であること。
よって、問題文の事例の場合の算定対象期間は、2年間に15日と80日(95日)を加えた期間となる。

(D)誤り
行政手引50271
公共職業安定所長は、逮捕、勾留及び刑の執行が不当であったことが裁判上明らかとなった場合は、これを理由として受給期間の延長を認めることができる。
よって、「勾留が不当でなかったことが裁判上明らかとなった場合」は、受給期間の延長は認められないため、問題文は誤りとなる。

(E)誤り
法14条1項、行政手引50501
年次有給休暇を取得した日も賃金支払基礎日数に含まれる。問題文の事例の場合、離職の日以前1か月の賃金支払基礎日数は、22日(8日+14日)となり、被保険者期間に算入される。
よって、「11日に満たないので、当該離職の日以前1か月は被保険者期間として算入されない。」とした問題文は誤りとなる。

  

→社会保険労務士試験過去問研究室(雇用保険法)に戻る
Copyright (C) 2005 社会保険労務士試験情報局 All Rights Reserved