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トップページ過去問研究室(雇用保険法) 平成30年雇用-第3問(一般被保険者の賃金及び賃金日額)
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■平成30年雇用-第3問(一般被保険者の賃金及び賃金日額)

一般被保険者の賃金及び賃金日額に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)健康保険法第99条の規定に基づく傷病手当金が支給された場合において、その傷病手当金に付加して事業主から支給される給付額は、賃金と認められる。

(B)接客係等が客からもらうチップは、一度事業主の手を経て再分配されるものであれば賃金と認められる。

(C)月給者が1月分の給与を全額支払われて当該月の中途で退職する場合、退職日の翌日以後の分に相当する金額は賃金日額の算定の基礎に算入される。

(D)賃金が出来高払制によって定められている場合の賃金日額は、労働した日数と賃金額にかかわらず、被保険者期間として計算された最後の3か月間に支払われた賃金(臨時に支払われる賃金及び3か月を超える期間ごとに支払われる賃金を除く。)の総額を90で除して得た額となる。

(E)支払義務の確定した賃金が所定の支払日を過ぎてもなお支払われない未払賃金のある月については、未払額を除いて賃金額を算定する。



■解説

(A)誤り
行政手引50502
健康保険法第99条の規定に基づく傷病手当金は、健康保険の給付金であって、賃金とは認められない。また、標準報酬の6割に相当する傷病手当金が支給された場合において、その傷病手当金に付加して事業主から支給される給付額は、恩恵的給付と認められるので賃金とは認められない。
よって、「賃金と認められる。」とした問題文は誤りとなる。

(B)正解
行政手引50502
チップは接客係等が、客からもらうものであって賃金とは認められない。ただし、一度事業主の手を経て再分配されるものは賃金と認められる。
よって、問題文は正解となる。

(C)誤り
行政手引50503
月給者が月の中途で退職する場合に、その月分の給与を全額支払われる例があるが、この場合、退職日の翌日以後の分に相当する金額は賃金日額の算定の基礎に算入されない。
よって、「算定の基礎に算入される。」とした問題文は誤りとなる。

(D)誤り
法17条1項・2項
賃金が、労働した日若しくは時間によって算定され、又は出来高払制その他の請負制によって定められている者については、賃金日額の最低保障額が定められている。これらの者については、原則により算定した賃金日額(被保険者期間として計算された最後の6か月間に支払われた賃金(臨時に支払われる賃金及び3か月を超える期間ごとに支払われる賃金を除く。)の総額を180で除して得た額。)が次の額より少ないときには、次の額がその者の賃金日額とされている。
(1)離職前6か月間に支払われた賃金総額をその期間中の労働日数で除して得た額の100分の70に相当する額
(2)賃金が、労働した日若しくは時間によって算定され、又は出来高払制その他の請負制によって定められているほかに、賃金の一部(例えば家族手当、通勤手当等)が、月、週、その他一定の期間によって定められている者については、その賃金の一部として支払われた額をその期間の総日数で除して得た額と上記(1)との合計額
よって、問題文は誤りとなる。

(E)誤り
行政手引50609
未払賃金とは、支払義務の確定した賃金が所定の支払日を過ぎてもなお支払われないものをいうが、未払賃金のある月については、未払額を含めて算定することになっている。なお、この場合は次の点に留意することとされている。
(1)未払額の認定に当たっては、当該労働者の稼動実績、過去の賃金額等に基づいて確実と認められるもののみを認定し、事業主又は労働者が未払賃金であると称する場合であってもその算定基礎の明確でないものは、未払額として認定しない。
(2)離職後において、未払額として認定した額を超えて未払賃金が支払われた場合には、再計算を行う。
よって、「未払額を除いて賃金額を算定する。」とした問題文は誤りとなる。

  

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