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■社会保険労務士の勉強メモ(健康保険法)




■健康保険事業の費用

健康保険事業を行う場合には、保険給付費・保健事業費・事務費等の経費が必要になる。
これらの財源には、主に事業主及び被保険者が負担する保険料が充てられることになるが、健康保険事業は国が責任をもって運営する事業であるので、国がその一部を負担するため事務費に対する国庫負担と政府管掌健康保険の保険給付費に対して補助する国庫補助があり、健康保険事業は、保険料、国庫負担、国庫補助により運営されている。

■国庫負担

1.要旨
(1)国庫は、毎年度、予算の範囲内において、健康保険事業の事務(老人保健拠出金、日雇拠出金、退職者給付拠出金並びに介護納付金の納付に関する事務を含む。)の執行に要する費用を負担する。 (法第151条)

(2)健康保険組合に対して交付する国庫負担金は、各健康保険組合における被保険者数を基準として、厚生労働大臣が算定する。(法第152条第1項)

(3)上記(2)の国庫負担金については、概算払をすることができる。(法第152条第2項)

2.「各健康保険組合における被保険者数」とは?
各健康保険組合における、各月末の被保険者数の年間計のことである。

3.健康保険組合に対する国庫負担
従前は、国から直接、各健康保険組合に交付されていたが、昭和61年度からは健康保険組合連合会に一旦交付され、そこから各健康保険組合に事務費補助金が交付されるしくみになっている。

■国庫補助

1.要旨
(1)国庫は、事務費に対する国庫負担のほか、政府が管掌する健康保険事業の執行に要する費用のうち、被保険者に係る療養の給付並びに入院時食事療養費、特定療養費、療養費、訪問看護療養費、移送費、傷病手当金、出産手当金、家族療養費、家族訪問看護療養費、家族移送費及び高額療養費の支給に要する費用に1000分の130を乗じて得た額を補助する。(法第153条第1項)

(2)国庫は、事務費に対する国庫負担及び上記(1)に規定する費用のほか、健康保険の保険者である政府が拠出すべき老人保健法の規定による医療費拠出金(日雇特例被保険者に係るものを除く。)及び介護納付金(日雇特例被保険者に係るものを除く。)の納付に要する費用に1000分の164を乗じて得た額を補助する。(法第153条第2項)

(3)日雇特例被保険者に対する保険給付費等に関しても定率の国庫補助が行われる。(法第154条)

2.補足説明
(1)国庫補助の対象になるのは、政府管掌健康保険のみで、健康保険組合に対して国庫補助はない。

(2)「療養の給付」については、一部負担金に相当する額を控除した額とする。

(3)出産育児一時金、家族出産育児一時金、埋葬料(埋葬に要した費用の支給)、家族埋葬料については国庫補助は行われない。

(4)国庫補助について条文上は「1000分の164から1000の200までの範囲内において政令で定める割合」となっているが、「政令で定める割合」は規定されておらず、健康保険法附則第5条において保険給付費に関する補助は1000分の130、老人保健拠出金及び介護納付金に関する補助は1000分の164と規定されている。

(参考)
1.国庫補助の経過措置
当分の間、第153条第1項中「1000の164から1000の200までの範囲内において政令で定める割合」とあり、及び第154条第1項中「前条第1項に規定する政令で定める割合」とあるのは「1000の130」と、同条第2項中「同条第1項に規定する政令で定める割合」とあるのは「1000の164」とする。(健康保険法附則第5条)

2.健康保険法の一部改正に伴う経過措置
健康保険法第153条第2項に規定する国庫補助の割合は、同項の規定にかかわらず、当分の間、1000の164とする。(老人保健法附則第9条第3項)

(5)退職者給付拠出金の納付に要する費用に対する国庫補助は行われない。

■保険料

1.要旨
保険者は、健康保険事業に要する費用(老人保健拠出金、退職者給付拠出金並、介護納付金、健康保険組合においては、日雇拠出金の納付に要する費用を含む。)に充てるため、保険料を徴収する。 (法第155条)

2.保険料に関する規定
健康保険では、介護保険第2号被保険者である被保険者とそれ以外の被保険者、任意継続被保険者、日雇特例被保険者に関する規定について別途、設けている。

※保険料に関しては別の項を作りました。
保険料に関する規定

  

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